顔って大事

最近TVで見た3つの顔を見て、顔の印象って大事だなぁ、と思いました。今日はその話。

3つの顔、というのは、日本語教育で最近よく見る斎藤孝さんの顔と、イラク人質事件の今井紀明さんの顔と、イラクでお亡くなりになった橋田さんの奥さまの顔。この3つ。

ここでは、お三方がどんな主張を持ってらっしゃるのか、とか、どんな行動をされたのか、ということについて述べているのではありません。そういうことは一切捨象してしまって、純粋に、TVに映った被写体として見た時に、その顔からどんな印象を受けるか、という点についてのみ、述べています。その点、何卒誤解のないように。

まず、斎藤さんの顔は、全体に穏やかな、柔和な感じですが、唇あたりに浮かんでいる微笑がクセモノに見える。どこか人を小馬鹿にしたような、冷笑のような微笑み。これが、彼の顔を、どことなく「胡散臭い」感じにしている。ああいう顔した人が玄関先に立ってたら、間違いなく不動産の勧誘セールスマンです。

今井さんの顔を特徴づけているのは、なんと言ってもあの目でしょう。非常に典型的な「三白眼」というやつです。「月下の棋士」とかでよく出てくる目です。しかも彼は、常に上目遣いで喋っている印象があります。正面から人を見ていても、上目遣いな感じ。非常に攻撃的な感じがするし、自分の主義・主張を「発射」しているような目です。決して、人に納得させようとして語っている感じがしない。定常的にガン飛ばし状態。

橋田さんの奥さんのお顔は、柔和な微笑みを浮かべながら、どこか精悍な印象があります。すっきりとムダを殺ぎ落とした顔。どこにもゆがみがない。ある意味特徴のないお顔なのですが、非常に整っている。豹のような感じでスキがない。武装している感じがしない、自然体に、色んなものを受け止めている感じなのですが、一旦何かが起こると、きりっと戦闘モードに入るような、どこか武士のような爽やかさがあります。

「何を語るか」「どう語るか」という、この日記で何度も触れているテーマに沿えば、この「顔」というのは、「どう語るか」という部分での最大の手段です。どんな顔をして伝えるか、ということが、伝えられる内容自体に色をつけてしまう。この3人の顔がTVに出てきたときに、見ている人々は、語っている内容から得ている情報よりも、その顔から得ている情報、というか、印象によって、いろんな判断を下しているのではないかな。そんな気がすごくします。