会社の出張でベトナムのホーチミンと香港に行ってきました。仕事の出張だと会議室に籠って一日中会議会議、その土地の雰囲気に触れる時間はせいぜい数時間の街歩きの時間だけ、というのがいつものことで、この日記でもそのわずかな街歩きの印象を書いたりしているのですが、今回はその街歩きの時間すらほとんど取れず、ほぼ会議と食事だけ、国の雰囲気に触れることができたのは食事の時間のみ、という感じ。でも、食事っていうのはその国を語る上ですごく大事なファクターの一つだとは思うので、今回は食事の話が中心になると思います。
ホーチミンにはANAの直行便が出ていますが、私の乗った便はほぼ満席。そんな出発の時点から、成長著しい東南アジアと日本の間の絆が深まりつつある感覚があります。ホーチミンまでほぼ６時間のフライト、時差は２時間。アジアへの出張は時差が大きくないので楽ですよね。
ホーチミンについてまず面食らったのはとにかくバイクが多いこと。120ccから250ccくらいの中型バイクが、それこそイナゴの群れのように走っています。移動はタクシーだったのですが、同行した同僚が、「道を見ていると点点が多すぎて見ているだけで疲れる」と言い出す。気持ちはすごく分かる。
こんな感じ。
しかもほとんどの交差点に信号がなく、突っ込んでくるバイクの間を車がするすると縫うように走る。不思議とそれぞれに阿吽の呼吸があるようで、横断歩道を渡る歩行者にもバイクが突っ込んでいくんだけど、その間もうまくリズムを取って移動していて、するすると人が流れていく。バイクを見て走ったり、とか急に立ち止まったりするとかえって危ないんだ、と教わりました。
バイクの値段は日本円にして１台２０万円くらい。月給が６万円、というのが一般的な家庭からすると、１家に１台くらいのぜいたく品。自然、バイクは家族の移動手段となり、２人乗り、３人乗りは当たり前。４人乗り、というのもいましたが、駐在員の人は５人乗り、それも若者ばかり、という猛者を見たこともあるそうな。サーカスかよ。
こんなのです。真ん中の赤ちゃんにヘルメットを着けてあげたい。
インドの渋滞もすごくて、インドの場合にはここに３輪タクシーが大量に駆け回るから、もっと状況はひどかったですけどね。交通事情の改善っていうのは、東南アジアのどの国もこれからの課題ですねぇ。バイクが増えて、もう少し経済力がついてくると今度は中古車を中心に車が増えて、渋滞でどうにもならなくなると地下鉄や鉄道といった公共交通が発達してくる、というのがお定まりの道らしいけど。
でも、街並みは想像していたよりもとてもきれいで、繁華街も充実しています。日本人の駐在員が自分でバイクを運転したりするのは危なすぎてできないけど、移動手段があれば結構楽しく生活できそうな気がしました。
少し郊外の街並みです。思ったよりすっきりときれいで、ビルの頭の三角屋根が東南アジアっぽい。こういう三角屋根って、沖縄でも見たような。
泊まったホテルは、グエンフエ通りというホーチミンの目抜き通りの一つに沿っていて、ホーチミンの銀座、といった趣き。REXホテルなどの立派なホテルや、ブランドショップなども並びます。
こんな感じ。きれいだよね。
ぶらっと入った本屋で見つけた日本人作家コーナー。村上春樹とか、吉本ばななが並んでいる。
お土産物屋さんがたくさん入っているデパート。娘と女房にシルクのスカーフを買いました。
サイゴン川に浮かぶ船上レストラン。顔がすごいよね。
グエンフエ通りは毎年花祭りが行われる通りで、突き当りがサイゴン川。ホーチミンという名前になる前、この街はサイゴンという名前で、今でも市民の間では、サイゴン、という名前に人気があるそうな。
さて、本題のお食事。お昼を食べたお店は、伝統的な植民地建築のレストラン。
こんなです。
日本でもおなじみの春巻きなど。ベトナム料理といえば辛い印象があるけど、さほど辛くもなく美味しい。
上で扇風機が回っているとはいえ、すごく蒸し暑い中、〆の鍋です。魚介の出汁の効いたスープが美味しい。なにより野菜が豊富で、すごく健康的な感じがします。このスープを最後に、きしめんのような平たいコメの麺の上にかけていただきます。
街の治安はそれほどよくなく、バイクに乗ったひったくりの被害にあった人や、麻薬中毒患者なども結構見かけるそうですが、街の目抜き通りはとても発展している感じ。会った人たちもみな勤勉そうで、どこかのびやかな感じがしました。もともとフランス領だったせいか、行った店のせいか、日本人や中国人よりも、西洋人が多い感じもした。あと、南方系の血が混ざるせいか、男性も女性も手足が長くて顔が小さい、スタイルのいい人たちが多い印象。女性も目がぱっちりしていて美人が多い感じがします。しかしあのバイクの群れはやっぱり気疲れするからなんとかしてほしい・・・
