台風いっか & 動かんぞ

台風一過ですね。空気が澄んで、遠い山並みまでくっきり見えます。こういう景色を見ると、関東平野を実感するし、この関東平野を埋めている「東京」という都市の、圧倒的な存在感を感じます。
・・・ところで、台風一過って聞くと、どうしても「一家」を思い浮かべてしまうんだよなぁ・・・ちゃぶ台をひっくり返す台風お父さん、柱の影で涙を流す台風お姉さん、台風お母さんは太平洋上で早くに亡くなり、台風長男はぐれて家を飛び出し、アメリカに渡ってハリケーンになり、「パーフェクトストーム」で映画デビューしましたとさ。ちゃんちゃん。

閑話休題

昨日は午後会社をお休みして、山口俊彦・上江法明デュオリサイタルの舞台打ち合わせ。カザルスホールに行ってきました。やっぱりいいホールですねぇ。こじんまりしているけど、決して安っぽくない。品格があって、落ち着いている。スタッフの皆さんもとても洗練された方々で、安心感があります。舞台裏が狭いのは、駅前のコンサートホールですから、こんなもんでしょう。

打ち合わせのあと、時間が余ったので、夏に企画している演奏会に向けて、楽譜や対訳本を仕入れる。カルメンの「闘牛士の歌」を歌う予定なのですが、フランス語の暗譜に自信が全然ない・・・頑張らねば。

ついでに、発声法について、基本からきちんと勉強しようと思って、森明彦先生の「新 発声入門」という本を購入しました。早速読んでみるが、「肋間筋を広げる」という所がよく分からない。女房に、「肋間筋を広げるって、どうやるんだ?」と聞くと、実演してくれる。肋骨全体が、ぐわん、と広がる。自分でやってみる。動かない。全然動かんぞ。みぞおちを中心にそのまわりばっかりがぺこぺこ動く。肋骨なんて骨なんだから動くわけないだろうが、と喚くが、実際に動かしている女が目の前にいるので言い訳にならない。無闇に悔しい。

とにかく歌うための身体のフォームが全然できていないなぁ、というのを痛感しました。歌うってことは、日頃は無意識に使われている呼吸筋を、意識的に動かすこと。でも、「肋間筋」という筋肉の存在自体を意識したことがないので、動かそうとしても、どういう風に信号を送ってやれば動くのか、全然分からないんですね。まず筋肉の存在と、動く感覚を覚えるところから始めないといけない。20年も歌を歌ってきたのに、こんな基本的なところが出来ていない。歌って怖いなぁ。

「ま、2・3年も頑張れば動くようになるでしょ」と、ばこばこ肋間筋を動かしながら女房が言います。不愉快である。しかしここで癇癪を起こしても見苦しいだけ。ええい。いつか見返してやる。ぺこべこ。動かん。ええい。