声と性格

会社のメールに最近NetSkyのウィルスが多発しているなぁ、と思っていたら、ガレリア座で作っているメールリストにまで、ウィルスメールが流れ始めました。最近のNetSkyの蔓延は本当に不愉快です。数週間前には、一日に100通を越えるウィルスメールが来着したりして・・・まったく困ったものだ。

さて、今日は、以前から思っていた「声と性格」の関係について、ちょっと書いてみたいと思います。

声というのは、声帯という筋肉の厚さや大きさと、それに共鳴を与える口腔の形などで決まってくる・・・というのが、歌を勉強する人たちの基本知識です。つまり、あくまで肉体的なものであって、精神的な「性格」とは本来無縁なものなはず。そうなんですけど、複数の合唱団にお世話になったり、色々な歌い手さんたちを拝見していると、どことなく、声質と性格に関連性がある気がするんですね。

以前、N響オーボエ吹きの先生が書かれた、オーケストラの楽器別の性格分析の文章を読んだことがありましたけど、これは、「そういう性格の人だから、この楽器を選んだ」という、ある程度の連携があると思うんです。でも、声と性格、というのは本来そんなに関連して当然・・・というものじゃないはず。なのですが、不思議と、ソプラノにはソプラノの、アルトにはアルトの、テノールにはテノールの、ベースにはベースの共通する性格がある。それは合唱団によって培われているものでもなくって、どの合唱団にもある程度共通のものだったりするんですね。

私が感じている、各声部の基本キャラクターというのは・・・

まずはソプラノ。
お嬢様タイプの方が多いのですが、相当強烈なヒロイン願望と、自己主張の強いタイプが多い。自分が一番。自分を邪魔するものには強い不快感を示す。例えばベースが音を外し、ソプラノの主旋律を邪魔したりすると、ぎろり、とにらむか、あるいは露骨に不愉快そうな顔をする。ソプラノの一人が、ただぼんやり見つめていただけなのに、「オ、オレが出している音は間違っているのか?」と勝手に不安感を募らせ、心身症になりかけているベースの人を見たことがある。時々、その視線に刺されるのが快感になってしまい、ソプラノと結婚してしまうベースの人もいる。高いのは声だけではなく、プライドも高く、気位も高く、計算高い

次にアルト。
あまりこだわりがなく、何でも包容してしまう。あんまりこだわりがないので、音程にもこだわりがなく、かなりテキトーな音を出していることがある。あんまり包容力がありすぎて、律儀なアルトは、自分で抱え込みすぎて自爆することがある。律儀でないアルトはなんでも笑って済ませてしまう。笑い声が豪快なので、笑うと済んでしまう、という利点もある。意外と自己主張がなく、高い声で自己主張するソプラノに流されてしまう傾向あり。平均年齢が高い合唱団では多数派を占め、平均年齢が低い合唱団では少数派で希少価値あり。豪放な声の割りには女性らしく、包容力ある優しい性格なのだが、オペラでは逆で、男勝りの自己主張の強いキャラクターを演じることが多い。ソプラノの中には、そういった役への憧れから、強い「メゾソプラノ願望」を持つ人がいるらしいが、当のアルトたちは、そういう自分に対するこだわりもあんまりない。

続いてテノール
声の軽やかさに比例して、言葉も軽く、あんまり何も考えないでべらべら喋る。おかげで、「すけべである」とか、「馬鹿っぽい」などと、言われない非難を浴びることが多い。確かに、エッチな話を、あけっぴろげに気兼ねなく口にし、挨拶代わりに「愛してるよぉ」という人も多い。また、軽やかにくだらないギャグをかましたりするので、頭が軽く見えることも確かに多い。しかし、これは全て、声にだまされているのである。
意外と女性に関しては律儀で真面目。軽いノリでどんどん押しまくる割りには、いざという時には妙に萎縮したりする。詰めが甘い。結局、テノールから口説く、というより、女性の方からの積極的なアプローチで、収まるところに収まるケースが多い。
また、意外と高学歴であったり、行動も堅実。口で言うほど軽率ではなく、むしろ慎重だったり、保守的だったりする。
ちなみに、私の大学のころに所属していた合唱団では、テノールにはデブとハゲが多い、という法則があったが、その後見回してみるとそうでもないと思う。

最後はベース。
むっつりすけべ、マニアが多く、テノールに比べるとかなり粘着質。声に重みがあるので、発言すると思わず聞いてしまうが、耳を傾けてみると割りとくだらないことを言っているだけ、ということも多い。肉体的な快感を追い求める傾向はテノールよりも強く、低音を出す快感に引きずられて、しばしばテンポを失う。音程も悪いが、多くの場合アルトほどではない。マゾが多いため、ソプラノの冷たい視線に合うと身を捩じらせて喜んでいることがある。
そんなわけなので、女性に関してはかなりしつこい。テノールの諦めのよさにくらべると、かなり粘っこくアプローチしたあげくに、「なぜあの男とこんな素敵な女性が!」と周囲が驚愕するようなカップルが誕生することがある。相手を根負けさせるのが得意。

・・・ちなみに私はベースです。はい。