ウサギもいるぞ

娘の通う、ニュージャージ日本人学校の生活が今週から本格的にスタート。パパも毎朝、フォートリーのオークツリーセンターまで、車で娘を送っています。色々と娘が報告してくれる様子などから聞く限り、実に楽しそうな学校。過酷な中学受験のストレスで胃を壊した根暗のパパからすると、なんともうらやましい環境です。ここ数日の学校生活について、娘の話なんぞを少し紹介してみます。
 
<朝のスクールバスはかなりぶっ飛ばしていく>
オークツリーセンターに行くと、駐車場の真ん中に、大きな黄色いスクールバスが停まっています。時間になると、子供たちが三々五々集まってくる。制服はないので、みんな思い思いの格好だし、9年生までの学校なので、ママに手を引かれたちっちゃな子供、大人顔負けの長い手足の颯爽たるお嬢さんから、仏頂面のあんちゃんもいる。娘によれば、「イケメンのあんちゃんもいるぞ」とのこと。小学校と中学校が同じってのも面白いよね。でもみんな、普通の日本の子供たち。ハーフの子供もちらほらいますけど、子供は屈託なくどんどんバスに乗り込んでいく。スリムな黒人女性の運転手さんがニコニコ出迎えてくれる。ニコニコしていてスリムなんだけど、運転は相当スポーティらしく、「高速をかなりぶっ飛ばしていく」(娘)そうです。女房も、「帰りの駐車場に入ってくる勢いがすごいんだよなぁ」と呟いていた。宵っ張りの娘はバスの中では熟睡している模様。片道3〜40分のドライブで、学校に着く。
 
<時間割は週決め>
決まった時間割がなく、来週はこんなことをするから、と前の週に言われて準備していく、というスタイル。先日、アートの授業があったそうなのだけど、担当の先生が日本語がしゃべれないローカルの先生。ある程度英語が聞き取れる子供と、全然聞き取れない子供で、「今先生はなんていったと思う?」「多分こういうことだと思う」なんて相談しながら課題を進めていったそうです。保健の先生とESLの先生もローカルの先生で、ESLの先生は日本語も喋れる。ESLは習熟度に合わせてクラスを分けて行われます。娘は当然初級クラスだけど、他にも結構初級クラスの子供がいるそうで、ちょっと安心。一人だけだとやっぱり心配だもんね。
 
<ウサギもいるぞ>
以前から書いているように、自然に囲まれた小学校。学校を象徴するMapleの木があって、昼休みとは別に、30分間の「Maple Time」という休憩時間があります。学校通信の名前も、メイプル通信、という。「メイプル戦記」の大ファンの女房と娘はそれだけで結構喜んでいる。外で遊んでいると、普通にリスが走っている。まぁリスは我が家の周りにもいるわな、と言っていたら、先日は、真っ白な野生のウサギが学校の脇の畑に顔を出したのだと。「野生のウサギなんか初めて見たよ」と娘は報告してくれたのですが、私は46年間生きてきて野生のウサギなんか見たことないよ。女房は岩手の山育ちだから見たことあるかもしれんが。
 
<放送委員長>
何せ一学年の総人数が7人とか8人、という学校だから、どの子供も何らかの役割を与えられています。環境委員とか、図書委員とか、色んな委員会がある中で、娘は「放送委員会」の委員長になりました。小学部の最年長学年だから、委員長になるしかないのだね。すぐ委員会が開催されたそうなのだけど、委員には1年生の子供もいる。娘は、書記を決めて議事進行して、とそれなりに頑張ったらしいんだけど、委員会の途中で、1年生の子供が、「指が痛いよぉ」と泣き出しちゃって、上級生がみんな呆然としたそうな。後で聞くと、どの委員会でも、「ウチの一年生も泣き出しちゃったよ」とみんな言ってたらしい。娘は、「放送委員会って何をやるのかさっぱり分からなくて、担当の先生も来たばっかりでよく分からないらしいんだ」と言いながら、「5年生の子が去年も放送委員だったっていうから、彼女を頼りながらやっていく」と方針を立てておりました。頑張れ委員長。
 
娘の同級生で、今年の3月に日本に帰国した子がピアノを弾く子で、代わりに入ってきた娘が、その子に代わって合奏の時間にピアノを担当することになりました。人数が少なくて、一人ひとりの役割が大きい割には、宿命的に人の入れ替わりが激しい学校。それに、これからそれほど爆発的に米国勤務の日本人が増えてくるとも思えない。震災の影響か、海外子会社の現地化が進んでいるためか、今年3月に米国から日本に帰任した人の数は、過去最大だった、という話もあるそうです。色んな意味で、日本本国の状況によって、この子供たちをめぐる環境は変わってくるだろうな、とは思います。でも、普通の日本の小学校6年生が中々体験できない環境に恵まれたこの学校で、少しでも長く学ぶことができたら幸せだな、とも思っています。パパもお仕事頑張らないとね。