始まっちゃいましたよ

先週あたりから風邪気味で、土曜日は頭痛にも襲われ、週末は半分病人状態で過ごす。日曜日、多少体調が復調してきたのと、音楽監督のNさんから、「時間があるようだったら早め早めにさらっておきましょう」とのお呼び出しがあり、いよいよ本格的に練習開始となりました。ガレリア座の次回公演「運命の力」です。

うちの女房がやるレオノーラと、私のやるグアルディアーノ神父の二重唱。午後はピアノ伴奏で、夜はオーケストラの練習にお邪魔して歌ってきたのですけど、とにかく歌っても歌っても終わらない、という感じ。神父はソロ曲のない役で、基本は重唱か、合唱と一緒に歌う、という役なんですが、ページをめくってもめくってもまだ歌っている。

感覚的な比較なんですが、「ファウスト」のヴァランタンの登場のアリアは、大体4ページくらいで、今回の二重唱は全部で20ページくらいある感じ。もちろん、レオノーラのパートもありますから、自分の歌う分量はもっと少ないんですけど、印象に残る旋律がいくつもあって、歌いがいのある役になっています。

重唱の相手の女房と夫婦喧嘩にならないように、かなり予習を重ねていったので、今までのガレリア座公演の初回練習に比べれば、それなりに歌えました。でもどうしてもポジションが安定しない。昼の練習と、夜の練習で、練習会場が変わっただけで、声の感じが変わってしまう。脇で聞いていた女房なんかに、「昼の方がいい声が出てたなぁ」なんて言われるんですけど、自分ではそんなに何かが変わったという自覚がないんですね。昼さんざん歌ったあとだったので、夜は疲れた、という程度の自覚しかない。これがもう少し自分の体のフォームとして、「ここが変わっちゃった」という自覚につながればいいんだけど。

ヴェルディというのはとにかくケレン味というか、メリハリがすごく効いているので、時々笑ってしまうくらいに音楽の変化が激しかったりする。2幕フィナーレの修道僧たちの合唱は、途中から完全に戦闘モードになって、そこまで言わんでもいいだろう、というくらいに激しく神の怒りを歌う。修道僧、というよりも、僧兵みたいな感じで燃え盛るように歌い、その直後のレオノーラの救済を求める美しい旋律を強調する。ヴェルディのレクイエムの「ディーエス・イーレ」を思わせるような構成になっているんですけど、こういう笑っちゃうようなメリハリを、どこまでも大真面目に、どこまでもケレン味たっぷりに歌いきれるか、というのが勝負かな、という気がしています。これからあと6ヶ月ちょっと。がんばりまーす。