「ゴールデン・スランバー」〜腑に落ちるのがいいよね〜

昨日、仕事で腹に据えかねることがあって、今日は出社拒否で一日年休。なんて書くと、本気で心配する人が出てくるかもしれないですね。ウソです。わが社では、一年間に付与される年休が20日間と決まっていて、翌年に繰り越せる年休も、20日間と決まっています。毎年度、年度末になると、大体21日くらいを残しておいて、翌年度に20日間を繰り越す。すると、年度の頭に、新たに20日間が付与されて、最大40日間は休める状態になる。

2月の頭の時点で、22.5日、という年休残余日があったので、とりあえず何をする予定もないけど、1日休むか、と思い立つ。2週間前くらいから、休むことだけは決めていたのだけど、昨夜まで、何をするかまるで決めていない。折角だから、久しぶりに夫婦で映画でも見に行くか、ということで、また府中のTOHOシネマズに行って、見てまいりました、「ゴールデン・スランバー」。

原作が、大好きな伊坂幸太郎さんで、「アヒルと鴨のコインロッカー」で、伊坂作品の映画化で外す心配のないことが分かっている中村義洋監督、ということで、思いっきり期待して行ったんですけど、ほんとに期待通り、外さない出来の映画でした。伊坂作品の魅力は、細かい伏線がこれでもかとばかりに詰め込まれていて、それが全部後半に解決していく心地よさで、要するに、「そうか、そうだったのか!」と腑に落ちる感覚なんだけど、映画でもその爽快感は抜群。

俳優さんもチョイ役まで含めて全員がきちんと見せ場を持っていて、個人的には、竜雷太さんのラスト近くの一言が無茶苦茶効いていて好きだった。女房ともどもクスクス笑ってしまったのが永島敏行さん。銃器持たせたら最高やね、この人は。女房が、「やっぱり自衛隊にいた人は違うね」と言ってたけど、いや、自衛隊にはいないよ。レギオンとは闘ってたけどね。

中村監督は、ヘンにてらった映像や、大作っぽい映像で自己満足したりすることなく、我慢して我慢してきちんとオーソドックスに物語をまとめていく、一種職人肌の監督さん、という感じがするんだけど、特に、編集が抜群に上手いなぁ、という気がしました。冒頭のシーンの無理のない流れから、ラストシーンの感動と、回想シーンのカットバックまで、とにかくテンポ感があって全然間延びしない。

女房と久しぶりに二人で見に行った映画でしたが、大満足で帰ってまいりました。やっぱり最近の邦画はほんとに面白いよ。才能があんまりない人たちがATGの天才の真似をして自滅していった一時期の荒廃がウソのようだ。

ということで、今日は一日、のんびりと家で仕事を忘れてすごしました。明日から職場復帰です。たまの何もない休日、一杯楽しませてくれた中村監督とスタッフの皆さんに、素敵な映画をありがとうございました。ほぼ日の「観たぞ、バンクーバオリンピック」をチェックして寝よう。お休みなさい。