「キングコング対ゴジラ」〜ディアゴスティーニの戦略にはまっている〜

今日はオタク的記述全開で参りますので、一応事前にご承知おきください・・・

ディアゴスティーニという雑誌屋さん、というか、模型とか各種クラフトアートなどの、マニア心をくすぐるアイテムを雑誌形式で販売している業者さんの名前は昔から知っていました。面白いことを考えるもんだなぁ、と思いつつ、「全号そろえるとあなたにも歩行ロボットが作れます!」なんていうあおり文句に、一瞬手が出そうになりながらも、自制するだけの理性は持っていた。

その理性を吹っ飛ばしてしまったのが、最近この会社が出し始めた、「東宝特撮映画DVDコレクション」。これと同時期に、オペラDVDシリーズというのも出ていて、ちょこちょこ買っているんだけど、東宝特撮映画の作品解説付きDVDを隔週刊で売っていく、という戦略には完全にはまってしまった。というわけで、多少抜けはあるんだけど、結構な枚数を購入してしまっている。「ゴジラ」「ゴジラの逆襲」「モスラ対ゴジラ」、と買って、先日は多少迷った末に、「キングコング対ゴジラ」と「空の大怪獣ラドン」を買ってしまった。昨夜、ちょっと早めに帰れたので、「キングコング対ゴジラ」を深夜に見る。女房は完全に見放した笑顔で見守っておりました。ははは。

東宝特撮映画にはインパクトはあっても、どれも名作とはとても言えない、というのは定説で、そのチープさと娯楽志向が、日本で良質なSF映画が生まれない素地を作った、と言うのも多分定説。でも、そのチープな画面の至るところに、これでもかとばかりに横溢している作り手のこだわりを見せ付けられると、なんか、これもいいなぁ、って思っちゃうんだよね。「キンゴジ」(と略すと女房がさらに引きつった笑顔になるんだが)オリジナルのキングコングの表情(米国の本家の造型を真似るな、というのが本家からの要請だったので、かなり顔の作りが和風)や、類人猿らしさを出すための各種の工夫(ギミックと着ぐるみの使い分け、スーツ・アクターの細かい芝居と絶妙な間の取り方、手を長く見せるために着ぐるみを2種類使い分ける芸の細かさ)とか、大ダコのシークエンス(特にキングコングと大ダコの直接対決の場面のタコの気持ち悪さがたまらん)のブルーバック合成や、ハリーハウゼンばりのモデルアニメーションをちらっと取り入れているところとか、すげえなぁ、と思う。

キングコングの子守唄代わりに原住民がコングの回りで踊る、という設定には笑っちゃったけど、群舞自体の音楽や演出はかっこいい。「モスラ」にしてもそうだし、「ゴジラの逆襲」でもキャバレーでのダンスシーンがあったんだけど、この頃の娯楽映画ってのは群舞シーンが必須だったのかなぁ。「海底軍艦」のムウ帝国の群舞もすごかったんだけど、本多猪四郎監督は群舞の演出がうまい。というか、多分この時期の娯楽映画の監督さんは、群舞シーンの演出技法をきちんと勉強していたんだろうね。黒澤明監督の「隠し砦の三悪人」の火祭りの群舞とかもすごいしなぁ。「妖星ゴラス」のパイロットたちのミュージカルシーンは付け足し感が強かったけど。

平田昭彦さんの強引な科学解説含めて、どっちかというとトンデモ映画に分類される映画なんだろうし、これが世界的に人気が出ちゃった、というのも、ある意味その後の東宝特撮映画の方向性を決めてしまった気もしないでもない。「モスラ」あたりから、怪獣映画=家族向け娯楽映画、という方向性が定まって、その延長線上にある東宝創立30周年記念映画、ということで、とにかくストーリはご都合主義、でも無闇に面白い。こういう屈託のない映画を見ると、昭和30年代って、なんだかいい時代だったんだなぁ、ってつくづく思うよね。

てなわけで次の号は地球防衛軍だ。モゲラだよ。いやあ楽しみだねぇ。完全に術中にはまっとるね。