私のマンガ人生(そのいち)

昨日、たらさわみちさんのマンガの話を書きました。私のマンガ人生について書き始めると、色々と問題が生じそうなので、この日記ではあんまり触れないでいたんですけどね。まぁいいか、と開き直って、ちょっと書いちゃおうかな。多分、長くなると思うので、今日はそのいち、ということで、マンガにのめりこむきっかけについて。

「色々と問題が」って何さ?と言えば、昨日も書いたように、マンガにのめりこむきっかけになったのが、少女マンガだったからなんですよね。こういうことを書くと、今の私の外見を知っている人が、今の私の外見のおっさんが、少女マンガ雑誌を読みふけっている姿を想像するだろう、と思うから、「問題」というのだ。私だって、中学生くらいのころはあったんだぞ。紅顔の美少年ではなかった。厚顔だったかもしれんが。レンズの厚いメガネをかけて、少女マンガを立ち読みしている中学生。ううむ。やっぱり問題があるなぁ。

一番最初のきっかけ、というのは、実は、FM−NHKのラジオドラマだったんです。わりと普通に音楽好きだったので、FM−NHKの夜の番組をBGMにして勉強する、というのが日常でした。それで偶然耳にしたラジオドラマで、宝塚の役者さん2人が、萩尾望都の「ポーの一族」をやったのです。これがすごく印象的だった。

それで、友人に萩尾望都のファンがいたので、何かお奨めのを教えてくれ、と頼んだら、その男が選んできたのが、よりによって、「トーマの心臓」。ここで後じさりするのではなくて、のめりこんじゃったんだよね。ううむ、やっぱり問題があるだろうか。

別に、少年愛に目覚めた、という問題があったわけじゃなくて、むしろ、「え、マンガって、こんなことができるのか」「こんなことを表現できるのか」という衝撃の方が大きかったと思います。「トーマの心臓」というマンガは、舞台にもなりましたし、金子修介の「1999年の夏休み」の原案にもなったマンガですが、人間の精神の弱さ、強さ、について突き詰めていく緊張感がすごい。難解なマンガではありますけど、思春期の私の精神状態には見事にシンクロしたんでしょうね。

その後、「ポーの一族」を読んですっかりハマり、これらのマンガが連載されていた「別冊少女コミック」という雑誌を買ってみる。そこに連載されていたのが、「カリフォルニア物語」で、吉田秋生、という漫画家に出会います。萩尾望都の次に圧倒された作家でした。

その後、漫研の友人などから情報収集しながら、これは、と思う作家の漫画を買いあさる日々が続きます。「ガロ」などのディープな世界にちらり、と足を踏み込みそうになったりしたこともありましたが、不思議と、池田理代子や、美内すずえといった王道にはあんまり近寄らなかったなぁ。好きだった漫画家を並べてみると、結構偏っています。

萩尾望都吉田秋生川原由美子成田美名子江口寿史諸星大二郎やまだ紫川原泉

あたりが、この人の新刊はなるべく買う、と決めていた漫画家でした。山岸涼子さんとかも結構読んだなぁ。竹宮恵子は、「地球へ」と「私を月まで連れてって」は読んだけど、「風と木の詩」は買う気になれなくて、途中まで立ち読みしてやめた。「風と木の詩」を立ち読みしているメガネの中学生かよ。やめろっての。

次は、個別の作家の好きな作品についてなど、ちらちらと書こうかと思います。