昔の公演記録

昨夜、ガレリア座のガラ・コンサートの写真の仕分け作業をしていました。ガレリア座の公演写真は、少し前から、外部の業者さんに撮影をお願いしています。私はこの業者さんへの発注と、団員さんへの写真の分配作業担当。舞台公演には、こんな裏作業も欠かせないんですよ。

ただ単純作業していてもつまらないし、折角なので、BGVということで、先日届いたガラ・コンサートのDVDを見ながら作業していました。DVD2枚組の超大作。こんなコンサートよくやったもんだ。歌い手は出たり入ったりするからいいけど、オーケストラは4時間弾きっぱなしですからねぇ。

そんなわけですから、全編を見るわけにはいかず、昨夜見たのは、全体の演奏会の中の「第三部」というパートだけ。モーツァルトのピアノコンチェルトから始まる、ゲスト参加して下さったプロの先生方との共演ステージです。私はこの中で、菊池美奈さんと佐々木理子さんと、「こうもり」の三重唱を歌わせていただきました。

・・・まぁ、よく臆面もなくこんな企画でやったもんだよなぁ、と思います。音程は安定しないし、音は間違える。プロの先生方と並んでいると、全然聴き劣りする。まだまだ修行が足りないなぁ、という反省だけを残して、「もう二度と見るまい」としまいこむ。

昔の公演記録、というのは、ほとんど見直すことはないんです。自分の意気込みが空回りしたなぁ、と思う公演は、絶対に見返さない。ほとんどの公演は、意気込みが空回りしている。よって、ほとんどの公演記録は二度と見ない。なんて情けない三段論法。

強いてプラス思考で考えるなら、それなりに歌唱技術や、演技の技術が向上しているので、昔の稚拙な自分を見るのが耐えられない、というのも少しはあるのかもしれません。でもどっちかというと、本番に弱い自分が、本番環境の中で妙にテンションが上がって呼吸も上がって自滅している姿が、とても見るに耐えない、という要素の方が大きいなぁ。

いつか、何度見直しても、「ううむ、オレもなかなかやるじゃん」とほくそえむことができるような、そんな舞台記録が残せるといいなぁ、と思いつつ、今回の公演も、二度と見ない棚の奥へと消えていくのでした。