ああ楽しかった。

週末は例によって大忙しでした。でもこういう週末を過ごしているから、何にもない週末ってのがすごく嬉しかったりするんだよねぇ。週末が忙しいってのは、ありがたい、幸せなことです。

金曜日の夜、山口俊彦&上江法明デュオリサイタルの最終通し稽古にお邪魔する。俊彦先生が経営されている、五反田の「壱番館」という喫茶店での練習。店内は、小さいグランドピアノもあって、毎週のように、俊彦先生を中心にしたサロンコンサートが開かれています。歌い手としては、最高の空間ですね。合唱団の練習が終わった後、お二人だけの第二部の通し稽古に付き合せていただきました。練習と言いながら、決して演奏には手を抜かないお二人。その素晴らしい演奏を聞いているのは、私とプロデューサの山口悠紀子先生の二人だけ。なんて贅沢なんでしょ。

上江先生が、今まさに私が練習している「闘牛士の歌」をアンコールとして歌われる。間近で食い入るように見て、聞きました。高音から低音まで、常に安定した声帯の鳴り。ぶれない重心。背筋を使うタイミング。子音のさばき方。母音の響き。どれをとっても、本当に勉強になりました。これが自分ではできないんだよなぁ。

土曜日が一番盛りだくさん。まずは、娘が幼稚園の課外授業ということで通っている新体操クラブの練習を見に行く。娘の姿をビデオで撮りまくる。その一方で、指導してくださる先生方の身体能力にびびる。リボン振りながら、背筋をぴんと伸ばして立った状態で、片足が横から、ひゅいん、と頭まで上がる。関節の構造が違うんだ。人間じゃないんだ。きっとそうだ。

娘をシッターさんに預け、新大久保へ。大久保混声の練習に出ていた女房と合流し、夏の演奏会の練習に。テノールのT君と、「学部長代理の歌」という、ガレリア座のガラ・コンサートで取り上げた曲を練習しました。
元々キャラクター性の強いコミックソングなので、ガレリア座で演奏するときには、音楽よりも、演技や声色で勝負することの多い曲です。でも、女房の発案で、今回はかなりきちんと、音楽として聞かせる部分と、キャラクターを前面に出す部分のメリハリをつけよう、ということで練習しました。これがとても面白かった。音楽をきちんと聴かせようとすると、逆に、歌のコミカルさが際立ってくるんですね。バッハ合唱団のように美しい和音で、せちがらい人生を語るギャップの面白さ。その建前が破綻して、いきなり新橋ガード下サラリーマンの愚痴に変貌するメリハリの楽しさ。
今回の企画では、以前にやった曲を沢山取り上げているのですが、練習のたびに、全然違う、すごく面白い響きを発見します。以前この日記に書いた、「ヴァラシュディン」同様、一つの楽曲の別の魅力が見えてくる感じがいい。というか、いい曲、面白い曲、というのは、そういう多面性、奥深さを持っているものなんでしょうね。

夜、大田区民オペラ合唱団のヴェルレクの練習に。「Agnus Dei」を中心に練習。きれいなメロディです。それだけに、きれいに歌うのはとても難しい。来週は岩井海岸で合宿。私は土曜日だけの参加。日曜日は娘の父親参観に、上野でTCF合唱団の辻正行先生追悼コンサート。また忙しい週末になるなぁ。

日曜日の、山口俊彦&上江法明デュオ・コンサートの感想はまた今度。すごく楽しかったですよ!