大田文化の森合唱団演奏会

23日(日)に、私の歌の先生である山口俊彦・悠紀子ご夫妻がご指導されている、大田文化の森合唱団のステマネをやってきました。

俊彦先生のお人柄もあるのかな、と思うのですが、私がお世話になっている大田区の合唱団は、どれも、俊彦先生を囲んだお友達サークルのような、和気あいあいとした雰囲気があります。ご近所の奥様、だんな様方の余暇サークル、という感じ。それでいて、俊彦先生が、真摯に「本物を作ろう」という姿勢で臨まれているので、取り上げる曲も本格的。今回は、高田三郎水のいのち」と、モーツァルト「レクイエム」が大きな2本の柱になった演奏会でした。

その「ご近所」感を、この合唱団で特に強く感じたのは、大田文化の森、という施設自体が、地域のコミニティ・ホールとして存在している、というのも大きい気がします。このホールが実にいいんです。キャパは259名。今回のような、80名近い合唱団の演奏会の会場としては、少し手狭な気がしますが、259名のキャパのホールとしては、舞台設備はとても立派です。ちゃんと反響板も組めるし、かなり奥行きもある。邦楽や、日舞の発表会によく使っている、とのことで、面白いのは、楽屋が土足禁止なんですね。楽屋の入り口で靴を脱がないといけない。すごく納得。

以前にも書きましたけど、大きなホールで気が遠くなるほど声を飛ばさないといけない環境よりも、これくらいのキャパで、じっくり、自分の声と、お客様とのコミュニケーションをとってみたい、というのが、今の自分の志向なんです。先日の蔵こん体験が、ほんとに心地よかったからでしょうね。あんなに密なコミュニケーション体験は、そうそう得られないでしょうけど。

こじんまりしているわりに、ホールの設備は立派で、スタッフの方々もまさにプロ集団、という感じでした。狭いスペースを最大限活用して、色んな備品を効率よく収納されている。手際もいいし、手抜きのない仕事ぶりで、とても安心して舞台を見ていることができました。

とはいえ、トラブルやミスがなかったわけじゃありません。というか、何もトラブルのない舞台なんか、ないんだよねぇ。今回は、当日の朝になって、搬入されるはずだったオルガンが、予定時間に来なかったんです。業者さんが連絡してみたら、搬送用トラックが、タクシーと接触事故を起こして動けなくなっちゃった。急遽、別のトラックを事故現場に差し向け、そこでオルガンを積み替えて、搬送。なんとか、リハーサルの30分前に到着。一気に組み上げ、間に合わせました。よかったよかった。

最大のミスは、最後のカーテンコールで、俊彦先生とオルガニストの先生がいったん退場されてから、拍手に合わせてもう一度先生が出ようとしたのに、私が合唱団に退場キューを出しちゃったんだよね。おかげで、そのまま終演になっちゃった。もうちょっと、先生方に拍手を浴びてもらえばよかったのに。こういうミスがなくならないと、いっぱしの舞台監督とはいえないよねぇ。

でも、お客様に気づかれるような大きなトラブルもなく、なんとか無事に演奏会を終えることができました。演奏も、団員の皆さんの熱がそのまま表れた、とてもいい演奏でした。またどこかでお手伝いできれば、今度こそはミスなしで、きっちりお手伝いしたいと思います。