宮崎出張〜色々びっくりしましたぁ〜

昨年の春先にも、宮崎の漁協さんにあいさつ回りするために出張して、この日記に感想文を書いたりしたんですが、先週、やはり海底ケーブルの仕事がらみで、宮崎に出張してきました。訪問先もほぼ前回と一緒なんですが、二回目ともなるとちょっと慣れもあって、前回見えなかったものが見えたり、へえ、と思うこともまた新たに見つかったりしました。ということで、二回目の宮崎訪問の感想、特にちょっとびっくりしたことを。


宮崎港。到着した日は晴天に恵まれました。
 
・やっぱり魚がうまい

前回行った塚田農場には今回も行って、地鶏(じとっこ)とか楽しんできたんですが、今回は日向港にある「ほそしま」というレストランでお昼をいただく機会があって、ここで出てきた魚がやっぱり美味しかったです。


「ほそしま」の窓から日向港を望む。天気がいいと綺麗な海が際立ちますね。


いただいたのは、「にぎり定食」。にぎり定食、という名前なんだけど、酢飯は人の手で握っているわけじゃなくて、機械でまるめた酢飯。それでも、上にのっているネタの美味しさと、定食についているアラ汁の濃厚さで大変おいしくいただきました。


店内の張り紙に出ていた「ごんぐり」という揚げ物を、サイドメニューで頼む。一個100円。スナック感覚なんですが、すごく美味しい。まぐろの内蔵をかき揚げにしたものだそうです。メヒカリといい、じとっこといい、日本には私の知らない色んな食べ物がまだまだあるなぁ。

今回は、川南漁港と日南漁港で、水揚げされたばかりの魚を見ることができました。この鮮度が美味しさの秘密なんだね。


川南でのセリ風景


日南漁港でのマグロ

写真は撮ってないんですが、宮崎市近くで立ち寄った鰻屋さんで食べたうな丼も大変美味でした。関西風で蒸さない。関西出身の私としては、それが嬉しい。
 
島浦島にも東日本震災の影響が。

昨年も訪問した島浦島。宮崎県北端にある天然の良港に、今回も行ってきました。浦城港から高速艇に乗ります。


浦城港から島浦島を望む。天気がいいと海の透明度が際立ちますね。

浦城港と島浦島は、高速艇とフェリーで結ばれていて、1時間に1本〜2本くらい便があります。ただ、訪問した日はフェリーがドック入りしていて休航。島民の足は高速艇だけになっていました。高速艇を待っていたら、浦城港に軽トラックが、バナナやパンなどの日用品を運んでくる。それをそのまま高速艇に手で積み込んで出発。フェリーがないと、日用品もこうやって人手を介して運ばないといけないんだね。


島浦島漁港に停泊する高速艇。

漁港の湾口には巨大な防風ネットがあるんですが、そのすぐわきに重機を乗せた巨大な台船があって、何か作業している。漁協の方に、「何の作業なんですか?」と聞いたら、防潮堤の強化だと。

「東日本震災で、全国の防潮堤を強化しないと、という話になっていて、そのあおりがこの島まで来たんです」とのこと。南海トラフ地震があったら、確かに太平洋側は巨大津波に襲われるわけだけど、防潮堤でどこまでそれが防げるもんだか・・・もちろん、大船渡の津波被害は、防潮堤のおかげであのレベルで済んだ、という話もありますから、ないよりはあった方がいいんですけどね・・・ううむ。
 
・わき見注意

島浦島から東九州自動車道を南下してくると、高速道路のわきに、こんな看板が。


なんじゃこりゃ、と思いますが、この看板のあるそばに、航空自衛隊の基地があるんですね。実際、我々が通過している間に、十数機の訓練機が飛行している姿を間近に見ることができて、こりゃ確かにわき見するわ、と思いました。最近は南シナ海がきな臭いことになっていて、スクランブル回数も格段に増えているというから、訓練飛行といっても緊張感半端ないでしょうね。
 
・爆買いツアーがこんなところにも

ちょっと時間があまって、日向漁協の近くのイオンでお茶でもしようか、と車で立ち寄ったら、駐車場に大型の観光バスが5台くらい停まっていて、フードコートが中国人、あるいは東南アジア風の外見の観光客であふれかえっている。


ちょっとよく見えないかもしれませんが、こんな感じで、みんな首から団体ツアーの札を下げている。

フードコートで食事をする人たち、イオンの店内に散開して爆買いにいそしむ人たち、と、ほとんどイオン店内が占拠された状態で、我々も居場所なく追い出される感じになりました。店員さんに「すごいですね」と伺うと、「船が着いたんですよ」と。

「船の定期便があるので、船が着いた日には必ずこんな風になります」とのこと。団体ツアーの旅程表の中に、「お昼ごはんはイオンで」というコースが組まれているんだね。

ここまですごい光景ではないにせよ、宿泊した宮崎駅近くのホテルでも、中国から来た観光客の方々の姿が目立ちました。ホテルのロビーでコーヒーを飲んでいた中国人風の親子連れにちょっと話しかけてみたら、流ちょうな英語で、「香港から来た」とのこと。礼儀正しい感じのいいお嬢さんで、お母さんと二人で来ているようなんだけど、お母さんは英語がちょっと苦手の様子。中国本土だけじゃなくて、香港からも来るんだ。

船便だと、飛行機と違って手荷物の上限が緩いので、爆買いできる量も多いし、何より船賃が安くて旅費が安く済むのだそうです。こういう観光客が宮崎県に落とすお金ってのは馬鹿にならないだろうなーと思いました。観光バス5台、といえば、50人定員としても250人、一人1万円買い物すれば250万円、最近の爆買いは平気で数十万円単位になるから、もっとすごいことになるよねー。それが毎週定期便で来てくれれば、それは嬉しいよね。本当の地元のお客様がちょっとお店に入りにくい感じになったとしても、毎日じゃないわけだし。
 
日南海岸沿いは泥の河

最終日には日南海岸沿いの漁協さんを回ったのですが、前日とはうってかわって大雨。日南海岸沿いの道は、晴天であれば、紺碧の海と真っ青な空が目の前に広がる大変気持ちのいい道なんですが、朝から曇天。そして雨脚はどんどん激しくなってくる。道のわきに、「連続170mmの豪雨の場合、通行止めになります」という看板を見て青くなる。今日中に宮崎市に戻らないと、飛行機で帰れないぞ。道の側の法面を見ていると、ところどころから滝のように茶色い水が噴き出していて、側溝からあふれ出て、道路が泥の河になっている。


こんな感じ。正直、命の危険を感じながら、なんとか進む。途中では、川のようになった道を越えられずに車列がしばらく止まってしまったりしましたが、なんとか完全に通行止めになる前に、宮崎市内に入ることができました。どうやら我々が通過した後に、完全に通行禁止になったらしい。
 
・ほっと一息、宮崎空港

なんとか宮崎空港にたどりつき、空港のレストランで、お昼に冷汁定食をいただく。かつおだしが利いていて美味しい。

そして、女房から「前回は写真だけしか撮ってこなかったけど、今回は本物買ってきてね」と念を押された、宮崎マンゴーの最高級ブランド、「太陽のたまご」を買って帰りました。本当は6〜7000円するもので、東京で買うと1万円は超えるかも、と言われたんですが、「少し日が経っている訳ありのものを4千円でどうですか」と、売り子のおばさまに上手に勧められて、ではそれを、と。


帰宅後、家族で食べる。甘さもトロトロ感もほんとにハンパないですよ。

豊富な観光資源と美味しい食事を売りに、東京からの観光客を呼ぼうとしても、そこそこ美味しいものやエンターテイメントに慣れている東京の人はなかなか宮崎に足を運んでくれない。となれば、その価値を十分享受してくれるアジア系の観光客を呼び込もう、というのは正しい地方都市の戦略なんでしょうね。そういう戦略の中で、どうやって地方都市の魅力を維持していくのか、というのが、次の課題になるのだろうけど。