街の個性

年始に西海岸に出張してきました。行ってきたのはシアトル・ロスアンジェルス・サンフランシスコ、という3つの都市。特にうろうろする時間もなく、街の狭い範囲を少し歩いたくらいなんですけど、それでも、それぞれの都市がそれぞれに個性を持っていて、それが結構面白かった。

シアトルは、こちらに永住している私の叔父が住んでいる街なので、多少なじみがありました。でも実際に行ったのは初めて。叔父夫婦といとこの一人が、わざわざ時間を取ってくれて、夕食を一緒にすることができました。シアトル名物のシャケをいただく。近くに川があり、大量のシャケが上ってくるので、シアトルの名物なのだそうです。

シアトルは、非常に清潔な地方都市、という印象を持ちました。街の中の道幅も広くて、人口も適度に少なく、ゆったりしています。リアス式海岸のそばに発達した港町らしく、海辺にある古い町並みから、平行に道が走っている。マンハッタンほど高層ビルが密集しておらず、空が広くて、それもゆったりした印象を強めている感じ。街中を走るトローリーバスや、モノレールなど、色んな交通機関があってそれも楽しい。

ロスは、以前、郊外のオフィスを訪問したことがあったのですが、今回はダウンタウンリトルトーキョーにあるホテルに宿泊。少しだけ時間を見つけて、リトルトーキョーをうろうろする。高野山、浄土宗、東本願寺のお寺が並んでいて驚く。戦前の日本移民というのは、今の日本人と違って国を捨てて来ているから、逆に日本文化に対する意識とか、結束力が強いんだよね。相反するようだけど、現地の米国文化に溶け込もうとする意欲も違う。そういう二律相反する意識の中で生まれたリトルトーキョーという場所を歩いていると、胸に迫るものがあります。エリソン・オニヅカさんの名前を冠したStreetに立った記念碑なんかを読むと、自然とあふれてくるものがある。

サンフランシスコでは、事務所の友人が少し街の中を案内してくれて、港沿いの観光スポットであるPier39を歩く時間がありました。面白いなぁ、と思ったのは、横浜の赤レンガ倉庫の近辺の雰囲気をもっと大規模にしたような感じなんだね。考えすぎかもしれないけど、咸臨丸が最初に訪れたのがサンフランシスコで、その雰囲気をミニチュア化して、そのまま何もない田舎街に持ち込んだのが、横浜だったんじゃないのかな、なんて思いました。

同じ国の中で時差が3時間もあるってのもまぁすごい話だよね。サンフランシスコからは、いわゆる夜行便の「Red Eye」というやつでNYに帰ってきました。西海岸は暖かい、というけど、ロスもサンフランシスコもそれなりに寒くて、応対してくれた事務所の人たちも、「今年は寒いよ」とおっしゃっていました。でも、帰り着いたニュージャージはまた新しい雪に包まれていて、寒さも段違い。やっぱり西海岸は住むにはいい場所だよ。