水が違う

よく言われる話で、日本ほど水道の水がおいしい国はない、という話がありますよね。実際、私が住んでいた調布という街は本当に水がおいしくて、千葉から越してきた時に、やっぱり違うもんだなぁ、と実感した覚えがある。府中から調布にかけて、多摩丘陵多摩川に落ち込むところに生まれる「ハケ」という場所から、富士山から武蔵野台地をくぐりぬけてきた地下水が湧き出している。深大寺の豊かな水と同じ水源。我が家の近くの小学校の角には、水道に使う井戸水をくみ上げる場所がありました。

米国に来たら、水は買うものだよ、という話を聞いてはいたのだけど、意外と水道の水はきれいです。以前インドに出張に行った時、ホテルで蛇口をひねったら茶色い水が出てきて往生したことを考えると、やっぱり米国って文明国だなぁ、と思う。ちなみにインドに赴任していた人に聞いた話で、冷蔵庫に入れていたミネラルウォーターの水が切れて、家政婦さんが気をきかせて水道の水を入れて冷やしておいたら、それをグビグビ飲んだ赴任者が、あっというまに肝炎になって入院した、なんて話を聞いたことがある。

なので、普段料理をするときには、普通に日本でやっていたみたいに、水道の水で煮炊きをしていました。別にさほど味の違いや不自由を感じなかったんですけど、年末年始に女房が来た時に、「お米の味が違うよね」と言いだす。「日本のお米を使ってるの?」と。

一度試してみたカリフォルニア米があんまりおいしくなかった経験があり、ミツワでわざわざ日本産のコメを選んで使ってたのだけど、それでも、「なんだかパサパサした感じがする」と。水を変えてみたら、という話をしていて、最近、米を炊く時にはミネラルウォータを使うようにしてみました。するとやっぱり違うんだよね。炊いた直後はそれほど感じないのだけど、おにぎりにして冷えたご飯を食べたりすると、ぱさついた感じがなくなって、しっかりモチモチした感じが残っている。以前試したカリフォルニア米も、水が悪かったのかもしれないなぁ。今度買う時にはカリフォルニア米をためしてみようかな。

こちら在住の方も、「日本よりも湿度が低いのかもしれないけど、少し水の量を増やして米を炊きますね」なんてことをおっしゃっていました。ちなみにこれもよく言われる話ですが、こちらでは、モノによっては、水の方がビールより高いです。なんでそうなるのだろう。