古びないこと

先日ロスに出張に行った時に会った方が、「オレ、ハワイで日本人の有名人と友達になって、しょっちゅう一緒にテニスしたりしてたんだけどね。知ってる?加藤和彦って?」と言ってくる。知らないわけないじゃん、と答える。自殺のニュースを聞いた時には驚いたよね、なんていう話をして、NYに戻ってから、無性に、サディスティック・ミカ・バンドを聴きたくなる。日本の短期出張の時に、近所のBook Offを覗いてみたのだけど、ない。ちゃんとしたCD屋さんに行く時間もなく、半ばあきらめていたのだけど、先日、マンハッタンのBookOffを覗いてみたら、ベスト盤があって狂喜乱舞。早速購入。

ミカ・バンドのデビューが1972年、伝説のセカンド・アルバム「黒船」が1974年ですよ。37年前ですよ。信じられない。ブロンディなどの海外のバンドにも影響を与えた、洒落っ気とユーモアと美しいメロディとビートと。どの曲も全然古びていない。その後のYMOやJ−PoPの片鱗もうかがえるし、最近の江戸リバイバルなんかの先取りまでしている感じもあるのだけど、やっぱりミカ・バンドにしかない大人のポップス、という成熟した感じがたまらない。最近のJ-PoPをあんまり聞いていないので、こういう大人のPoPsみたいなのを支えている人たちがまだいるのか、よく知らないのですが。ムーンライダーズは頑張っているのだろうか。

話は少し変わります。こちらのケーブルテレビに入っていると、チャンネル数が多いせいか、週末になると必ずどこかのチャンネルで「スター・ウォーズ」をやっている。他にもよくやってるのは、「ターミネーター」と「バック・トゥ・ザ・フューチャー」ね。日本で、日本映画チャンネルとNHK-BSが交互に黒澤映画をやってるようなもんか。それで時々、家で別の雑用しながら、なんとなくスター・ウォーズを見ていたりする。それで驚くのは、ロボットやメカのデザインが第一作からほとんど変化がないこと。それでも全く違和感がない。この第一作が1977年。33年前かぁ。普通、33年もたつと色んなデザインとか設定とか、多少古臭くなってしまうものじゃないかと思うんだが。

日本で「宇宙戦艦ヤマト」が実写映画になって、うちの娘が見に行ってハマってしまい、先日こちらに来た時、アニメのシリーズを頭から全部見てしまいました。この「ヤマト」、話の設定とか、やっぱり時代を感じる部分もあるのだけど、メカデザインや戦闘シーンなんか、今見ても結構違和感がない。娘は結構「そんなのありえないじゃん」と突っ込みながら見てましたが、パパはそのわきで、意外と色んな事が古臭くないなぁ、と思いながら見てました。日本じゃ「あしたのジョー」が映画化されるんですってね。古びないものってあるんだなぁ。