昨日(12月4日)、こちらで加入したニューヨーク混声合唱団の定期演奏会に参加。久しぶりに、アマチュア合唱団ならではの楽しさを味わい、こちらの舞台の作り方にも触れることができ、楽しい経験をさせてもらいました。
本番会場は、エントラルパークのすぐ西側、64丁目Westというところにある、New York Society for Ethical Culture Concert Hallというところ。印象としては、ずいぶん前にこの日記に写真付きで紹介した、星薬科大学のホールに似ていて、歴史を感じさせる素敵な舞台。何より音響が素晴らしく、和声の一番きれいにはまっている部分の音だけをクリアに拾って、しかも広げてくれるような、素晴らしいホールでした。歌っている側としても、舞台の上で歌っている自分の声や、団員の声がとてもよく聞こえる。いいホール、と言われる会場には、自分の声が遠くに投げだされて返ってこないような感覚がする会場もありますけど、ここは本当に歌いやすくて、しかも聴衆にもやさしいホールでした。
ホールの力にも助けられて、本番では、練習では一度もできたことのない表現ができたり、あるいは想像もしていなかった新しい表現が突然できたり、という局面がたくさんありました。アマチュアの団体にいると、これが醍醐味なんだよね。毎回の練習が、3歩進んで2.7歩下がる、みたいな繰り返しで、正直しんどくなることは何度もあるのだけど、その積み重ねが、本番会場の高揚感で突然すべて放出されて、一気に高みに駆け上がってしまう感じ。プロの合唱団とかではこうはいかない。
個人的には、かなりの部分で歌詞が飛んだり、出とちったり、音がはずれたり、というミスを重ねてしまい、周囲の方々には本当にご迷惑をおかけしました。声がでかいので、影響もでかい、と分かっているのだけど、なんか表現に欲が出て、そういう場所に限ってミスをするんだよね。やっぱりしっかり練習するしかないなぁ。
演奏会の運営のサポートをしたりしたのですが、Job Descriptionが明確に決まっている国らしく、合唱団が並ぶ台とかを出す仕事は、すべてホールのスタッフがやります。日本のように、ホールスタッフを出演者が手伝う、なんてことはあり得ない。逆に、その人たちの仕事を奪ってしまうことになるんだね。演奏が終わった後の片付けも一切なし。そこの切り分けがすごくしっかりしている。だから逆に、そのホールのスタッフのペースですべてが進むので、こちらの都合と合わなくてイライラすることもあるんですが。
というわけで、日本を離れ、遠くニューヨークでも、相変わらず歌っております。そういう場所を見つけられたこと、みんなに受け入れてもらえたことに、ただ感謝です。これからも、しっかり自分の歌唱表現を磨いていきたいと思います。やっぱり、舞台っていいなぁ。ほんとにいいなぁ。