煮詰めて煮詰めて

ということで、今日は、先週末の活動状況について。
3連休、例によって、歌三昧の日々でした。今、私は大きく4つの企画に絡んでいます。
 
・蔵コン
大田区民オペラ合唱団の「ヴェルレク」
ガレリア座の次回公演「乞食学生」
・自分で自主練習している「ワルツの夢」のリート
 
蔵コン練習は3連休の3日間、連続で練習。土曜日にはヴェルレクの練習も。空き時間には、乞食学生の楽譜の整理、ワルツの夢の資料集めやピアニストとの調整。さらに金曜日には、女房が企画に絡んでいる大久保混声合唱団の定期演奏会の関係で、商売上手なM団長さんに久しぶりにお会いして歓談。さらに月曜日には庭の草むしりまでやって、今日は筋肉痛。草むしりで筋肉痛なのか?歌って筋肉痛なのか?・・・とにもかくにも、なんとも目一杯な週末でした。
こうやって、複数の企画を並行して消化している状況・・・というのは、個人的にあまり経験がないんです。確かに大変で、結構しっちゃかめっちゃかになるのですが、でも、無闇に楽しい。なんでこんなに楽しいんだろう。そう考えてみると、やっぱり、「煮詰めていく楽しみ」なんだなぁ、と思います。
大田区民オペラ合唱団の「ヴェルレク」なんか、昨年の演奏会から通算すれば、2年近くずっと取り組んでいる曲です。それなのに、まだ面白い。まだまだ作りようがあるし、声の色や、発声方法なんかも、昨年とは全然違っている。毎回の練習に発見がある、それが楽しいんですね。
土曜日のオペラ合唱団の練習では、低音から高音に音が飛ぶときの体の準備の仕方を、俊彦先生一流のわかりやすいご指導で教わりました。高音に飛ぶ半拍前くらいに、低音で前打音を打つような意識で、下半身にぐっと力を入れる。ギアチェンジみたいな感覚。これはテクニック的な「煮詰め」なんですが、逆に、そういうテクニックの獲得によって、声の色や、そのフレーズの歌い方が変化してきて、フレーズ全体の色が変わってくる。それがさらに次のフレーズの歌い方にも影響してくる。そうやって色合いがどんどん変化していく面白さ。
蔵コンも、この3連休で、細かい詰めを結構やりました。視線の置き方、イメージの作り方、フレーズの作り方、細かいところを詰めて演奏するたびに、どんどん色が変わってくる。何かしら、目指すものが見えてくる。それぞれの人の持っている色が変わって、持ち寄った色が混ざり合う色調も変わっていく。その面白さ。
誰かが、「歌の練習は、練習している最中が一番楽しい」と言っていたのを聞いたことがあります。分かる気がするなぁ。練習場に入ってきて最初の演奏と、煮詰めた後の演奏の違いにわくわくする感覚。
もちろん、自分の出せる色合いの変化を楽しんでばかりいると、目標を見失ってしまい、「練習のための練習」に陥ってしまいます。でも、発表の場、という目標があると、一つの完成品をお客様にお聞かせしないといけない。その「完成されたイメージ」をメンバーで共有していく作業、というのが、これもまた楽しいんです。
「乞食学生」でも、ソリストの大役をいただきました。まだまだ全然準備ができていませんが、3月の本番に向けて、じっくりこの役とお付き合いして、煮詰めて煮詰めていきたいと思います。