日曜日、夕方に、ひーこちゃんの伴奏で、「ワルツの夢」のリートを一応仕上げました。一つの曲にきちんと取り組んで、目標の期日を作って、きちんと仕上げる、というのは、今回が初めての経験だった気がします。勿論、いくつもの舞台を経験してきてはいるのですが、いままで、舞台という総体の中で、自分を見失っていた気がします。舞台という大きな場であっても、自分と楽曲という2者の関係を緊密に取っていなかった気がする。きちんとその楽曲に向き合っていなかった気がする。今回、短いリートではあるけれど、一つの曲に、きっちり向き合って、今の自分の能力で出来うる最高のパフォーマンスに仕上げる、という、本当にいい経験をさせてもらいました。
基本の訓練を重ねて重ねてやってきましたが、仕上げの段階では、そういう基本の所は、もう体に落としこめたところまでで収めてしまって、むしろ歌を演じる楽しみを中心にやってみました。録音したものを聞きなおしてみると、基本を身体に十分に落としこめていないので、色んなところで馬脚が現れている。でも、基本を意識した練習をきちんとやらずに、まず歌を演じることから入っていた今までの歌よりは、ずっと歌らしく聞こえる。
本当に、いい勉強になったと思います。お付き合いいただいたひーこちゃん、そして、練習につき合わせてしまった娘と、何よりも、妥協を許さずに、厳しく楽曲に向き合うことを教えてくれたうちの女房に、ほんとに感謝したいと思います。ありがとうございました。