「南の島のティオ」〜大事に育てていきたい〜

昨日、GAGの九回目の公演になる、「南の島のティオ」の舞台が終わりました。何度か練習を重ねてきましたけど、本番が一番楽しく、一番うまくいった気がします。投票などでお忙しい中、会場まで足を運んでくださったお客様、本当にありがとうございました。

何度も書いていますけど、GAGの常ハコにしている映像シアター(正式には、調布市民文化会館たづくり映像シアター、という)という場所は、とにかく居心地がいいんです。我が家から近い、というのももちろんですが、会場がきれいで雰囲気がよく、スタッフさんも顔なじみで、こちらが気づかない細かいところに気配りしてくれる。会場使用の上でストレスを感じることが全くない、というのは、本当にありがたいこと。あんまり居心地がいいので、控え室で本番を待っている間に、ちょっと居眠りしそうになってしまう。出演者は私一人ですから、ここで眠ってしまったら誰も起こしてくれないぞ、と、慌てて体操して目を覚ましたりしてました。リラックスしすぎだっての。

打ち上げが終わって、家に帰って、すぐに日常生活に戻っていく。ガレリア座公演でも経験するサイクルなんだけど、GAG公演は、本番と日常との距離がすごく近い感覚がある。本番会場も、打ち上げ会場も、我々からすれば日常生活の行動範囲内に収まっているからねぇ。

今回も、何人かの子供さんのお客様が来てくれました。会社の同僚が子供さんを連れてきてくれていて、今朝お礼を言ったら、「リランちゃんはどこに行ったんだろうねって、子供たちとお話したんですよ」とか、「どんなお話だったか、家に帰ってから、見に行けなかったお母さんに、一生懸命説明してたんですよ」とか、子供たちも楽しんでくれた様子を報告してくれました。何より嬉しい報告でした。

今回、ご来場くださったお客様の中には、「もっとたくさんのお客様に見てもらいたい演目です」とか、もっと直裁に、「あなた、宣伝下手すぎよ!」というご意見などもいただきました。実際その通りで、GAG公演はいつも集客に苦労していて、今回も、午前中の公演は20人強、午後も、30人強くらいのお客様。映像シアターは100名のキャパなので、特に午前中は閑散とした印象があったらしく、複数のお客様から同じようなご意見をいただきました。

いっそ有料公演にしてしまったら、もっとお客様も来てくれるかも、なんてことも考えるのだけど、地縁・人縁を大事にした今の客層、というのも捨てがたい気がしていて、いろいろと悩んでいます。あくまでアマチュアの我々が、自分の表現範囲をどこまで広げることができるか、試行錯誤している舞台・・・という感覚もあり、あんまりプロ舞台のような売り方をするのは申し訳ないかしら・・・なんて思う。終演後、スタッフの一人が、「たとえば、どこかの小児科病棟に出張公演する、なんてのはありかも」なんて話をしていて、そういう、ボランティア公演、という形式は考えてもいいかなぁ、という気もしています。

公演を支えてくれた常連スタッフの皆さん、何より、「ティオ」の世界を素晴らしいイラストで視覚化してくれたH君、本当にありがとうございました。これしかない、という選曲と的確な駄目だしで、へろへろしている朗読者をしっかり支えてくれた我が女房どのと、練習に付き合ってくれた上に、キャラクター作りにアドバイスまでくれた我が娘にも、感謝感謝。(毎度、「ティオ」のお話のために書かれたか、と思われるような素晴らしい音楽を作ってくださる、栗コーダカルテットの皆さんにも、ここでこっそりお礼を)

「南の島のティオ」という素敵なお話の魅力を、どうやって皆さんに伝えていくか・・・10篇あるお話の4編までを終えて、残り6つのお話を、どう料理していくか。生演奏とのコラボレーション、というのもいいなぁ、などと、女房といろいろと話をしています。これまでやった4つのお話も、(H君の素晴らしいイラストの数々も含め)さらにたくさんの人たちに知ってほしい気もしてきているし・・・「南の島のティオ」の朗読シリーズ、我々にとって、本当に宝物のシリーズになりました。大事に大事に育てていきたいと思います。これからも、暖かく見守ってください。