子供の七五三

昨日は、我が家の今月の最大のイベント、娘の七五三の日。関西から私の母も上京してきて、一緒にお祝いをしました。こういうイベントでは、男の子よりも女の子の方が、手間はかかるけど楽しいもの。随分前から、着物を買ったり、髪飾りを選んだり、家の掃除を徹底的にやったり、この日のためにしっかり準備。おかげさまで一日、穏やかな天候にも恵まれ、とても素敵な七五三の一日になりました。ご祈祷をしようと訪れた大国魂神社の境内で、ばったり娘の小学校のお友達に出会って、一緒に写真を撮ったり。娘も、一日、とても楽しんだようです。

3歳の時には、調布の駅前の布田天神でご祈祷をお願いしたのですが、その時は、ご本堂の中に子ども達がずらりと並んで祝詞を聞きました。大国魂神社では、七五三の祈祷所を別に屋外に設けてあって、これはこれでとても厳かな雰囲気のある素敵な場所。曇りがちだったお天気も、ちょうどご祈祷の時間だけ、明るい日差しがさして、和やかなうちにも厳粛な、いいお式になり、おばあちゃんは思わず感涙に咽んでおりました。

先日、十二支、というのにも何かしら意味があるんじゃないかな、なんてことを書きましたけど、七五三、というのはとても分かりやすい区切りのような気がします。ネットで色々見てみると、もともとは、関東起源の地方風俗で、「3歳では「髪置きの祝い」、5歳では「袴着の祝い」、7歳では「帯び直しの祝い」という別々に祝っていたものが、江戸時代に一緒になったもの」だそうです。「特に7歳については、昔は医学が発達していなかったため7歳までに死ぬ子どもが多く、7歳までは「神の子」として考えられていた」とか。でも、個人的には、男の子が5歳、女の子は3歳と7歳、という区別も、すごくよく分かる気がする。女の子というのは、男の子と比べて発育が早くて、すぐに大人になってしまう。早く子供を生めるように体が準備をしてしまう、という生物学的な要請なのかもしれませんが。女の子の3歳と、男の子の5歳、というのは、なんだか精神的にも肉体的にも同等レベルの区切りのような気がする。では、女の子の7歳に対応する男の子の区切りは、と言えば、かなり大きくならないとそういうはっきりした区切りが来ない気がするんですね。それこそ、いわゆる「元服」の年頃(大体11〜15歳くらい)まで、男の子はいつまでたっても子供、という気がする。

私は今年厄年。女房が教えてくれたんですが、もともと「厄年」というのは、成長の過程で一つの区切りの年齢になった人たちに、村の神社や寺の神事の「役」をあてがった、「役年」というのが語源だそうです。災難にあいやすい、という所ばかりが強調されるけど、もともとがそういう意味なので、舞台関係者の間では、「厄年にいい役をもらえる」とか言うそうな。会社でも、「厄年に昇進していい役職につける」なんて話もあるらしい。

昔から言い継がれてきたこういう行事やしきたりには、それなりの意味があると思います。呉服屋さんの拡販キャンペーンでしょ、なんて冷めた言い方する人もいるけど(そういう人に限って、西洋からやってきたバレンタインやクリスマスにはかなり盛り上がってたりするよねぇ)、その意味する所、要するに、子供の成長を区切りをつけて感謝する、という気持ちは、とっても大事なことのような気がするんですよね。

娘のお着物は、相当奮発して、中学生くらいまで着られるかなりいいものを買ってあげました。女房はその着物をたたみながら、「今度は私の帯を貸してあげようかな」なんて楽しそうに呟いている。着物のいい所は、とにかく長持ちすること。母から娘へと引き継がれていくこと。そうやってこれからも、色んな行事のたびごとに、素敵なお着物と一緒に、素敵な時間が過ごせればいいねぇ。