ガレリア・フィルハーモニー管弦楽団第二回演奏会〜継続すること〜

先週の日曜日、ガレリア座の座付きオーケストラ、ガレリア・フィルハーモニーの第二回演奏会を、ステージマネージャーとしてお手伝いしてきました。例によって例のごとく、裏方としては想定外の失敗もあり、いつまでたってもミスのないスムーズな舞台運営ができないなぁ、と反省しきりです。今回の失敗は2つ。

指揮者の鈴木先生と、アンコールのときの花束贈呈の段取りをきちんと詰めていなくて、鈴木先生が2度目の拍手を受けて戻ってこようとするタイミングで、花束担当者に入りのキューを出しちゃった。花束の入りのタイミングが早すぎたんですね。今回、また間が悪いことに、指揮者の動線と花束担当者の動線を別にした(指揮者は、1stヴァイオリンと2ndヴァイオリンの間、花束は目立つように、舞台の最前面)ものだから、指揮者と花束担当者がすれ違いになっちゃいそうになった。一瞬、花束担当者を呼び戻そうか、と思ったんですが、一度出てしまったものはしょうがない。鈴木先生が完全に退場しちゃったら、花束担当者が舞台上で待っている、なんていう、なんとも間の抜けた絵になっちゃう。こりゃまずいなぁ、と一瞬思ったら、指揮者の花束担当者が、にっこり微笑みながら目線を一発ビビっと飛ばして、鈴木先生を指揮台に呼び戻してくれました。うちの女房です。ナイスフォロー、さんきゅです。

もう一つの失敗。今回の会場のセシオン杉並は、とにかく少ない要員で効率重視で運営されていて、「舞台監督さんの方で、照明のオペレーションもお願いします。操作方法はご教授しますから」と言われてしまいました。初めての体験に青ざめながら、ちょっと嬉しかったりもしたんです。大体の会場の操作卓というのは、会場のスタッフ以外が触れてはいけない神聖なもの(というより、素人がヘンなボタンを押したら、とんでもないものが天井から降ってきたりする、危険なもの)なので、それを触れる、というだけでドキドキ。開演前に少しつまみをいじって、シミュレーションしたつもりだったんですが…

やっぱり慣れないことはしないもので、終演後、舞台上の明かりを落として客電を上げる時、客電を上げるボタンと下げるボタンを間違えて押してしまい、いつまでたっても客席の明かりが上がらない。舞台上では、オーケストラが、「お疲れ様でした」と声なんかかけあいながら退場していくのに、客席は暗いまま。でもこちらは舞台袖にいるので気が付かないんですね。お客様は、「まだなんかあるのかなぁ」と随分不思議に思われたことでしょう…会場スタッフの方に、「客席明かりもう上げていいですか?」と言われて初めて気付きました。ごめんなさい。

ガレリア・フィルハーモニー管弦楽団が、ガレリア座の本公演とは別に、独立した演奏会を持とう、という試みは、昨年始まったばかり。でも、1回だけの公演で、そのまま消えていく音楽団体なんて腐るほどあるんです。それほど、継続する、というのは難しいこと。今回の2回目の演奏会でも、スタッフの皆様は、本当に汗みどろ血みどろになりながら、なんとか本番にたどり着いた、という感じだったようです。そういう気迫もあったのか、アンコールの「ファランドール」は、まさしく雄たけびのような、湧き上がるパワーを感じました。スタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした。1度目ももちろん大変でしょうが、2度目をやりとげた、というのは本当にすごい快挙だったと思います。あんまり役に立たないステマネでしたけど、我々裏方に対するスタッフの皆さんの細やかな気配りも本当に心地よかったです。仲間の演奏会ではありますけど、身内の馴れ合いにならない、とても爽やかな仕事をさせていただきました。

継続していくこと、というのは大仕事です。ただ「やりたい!これが好き!」だけでは済まない、雑多な問題や課題が次から次へと襲ってきます。それでもやりたい、それでも続けたい。そういうパッションがないと、なかなか続けられない。でもそのパッションの源は、なんといっても、アンコールのときのブラーヴォの声と、お客様の温かい拍手なんです。また再び、あの拍手とブラーヴォのために、いい舞台を重ねていきたい、手伝っていきたいと思います。