娘の初めてのピアノ発表会〜音楽への入り口〜

先週末、5歳の娘の初めてのピアノ発表会がありました。武蔵境の駅前の、武蔵野スイングホール、という、とても素敵なホール。娘はこの日のために用意してあった白いドレスを着て、「小さな歌」という発表会用の小曲と、「ロンドン橋」を弾きました。あとは女房が伴奏して、「やぎさんゆうびん」を歌う。ほんの数分でしたが、ミスなく上手にやり遂げる。直前まで、必ずミスしてたんだけど、本番が一番上手だったね。本人よりも、女房と私の方がよっぽど緊張していたかもしれん。

女房は、子供の頃からピアノを習っていたので、こういう発表会の雰囲気とかはなじみがあるようなのですが、私は初めて。今回の発表会は、2人の先生が合同で開催されたもので、生徒数は50名弱。色んな演奏が楽しめて、なかなか面白かったです。面白いなぁ、と思ったことをいくつか。

・記念品なんかもらえるんだぁ。

発表会に出ると、記念品がもらえる、というのも、私にとっては「へえ〜」でした。発表会の記念品、という商品市場もあるんですってね。娘がもらったのはバスタオル。しかし、先生方はほんとに大変。会場の手配、何かというとわちゃわちゃになっちゃう子供たちへの指示、何かというとわちゃわちゃになっちゃう子供たちの親たちへの指示、各種業者さんへの手配から、プログラム印刷、記念品の手配まで、全部先生方がやっている。娘の先生の秋山美穂子先生は、そういう指示を何事もないかのようにニコニコとこなしてらっしゃる。その上、発表会の最後に秋山先生が弾かれたショパンノクターンは、歌心のある本当に素敵な演奏でした。すごいなぁ。

・スイングホールっていいですね。

武蔵野スイングホールって、初めてお邪魔したのですが、とってもいいホールですね。キャパが180人と、この規模の発表会にはぴったり。小さなアンサンブルとか、声楽のリサイタル、サロンコンサートとかに最適な感じです。音の響きも悪くない。出てきたピアノがスタンウェイのフルコンで、伴奏した女房は、「スタンウェイのフルコンで『やぎさんゆうびん』かい」と、逆に緊張したそうです。武蔵野市民文化会館を運営している武蔵野文化事業団が運営しているホール。あの有名な、武蔵野市民文化会館の定型コンサートチラシが大量に置いてある。武蔵野市、というのは、こういう文化事業が盛んですね。ソフトが充実しているから、ハコが生きるんだなぁ。

でも何より、ピアノという楽器が、音楽愛好家の裾野を広げているんだなぁ、というのを、なんとなく実感した時間でした。3歳くらいの男の子が、2本の指だけを使って、「いちばんぼしみつけた」「なべなべそこぬけ」を弾く(弾いてみてください。ほんとに2本指だけで弾けるから)。大学生くらいか、社会人くらいの方が、ショパンソナタをべらべらと弾く。ピアノという楽器は、叩けば音が出るし、音階が目に見えて分かるから、音楽愛好への入り口としてはほんとに王道、なんですね。

叩けば音がでるかもしれないけど、いい音には中々ならない。それが奥の深いところなんだなぁ。失礼な言い方になっちゃうかもしれないですが、先生方の弾かれる音色と、生徒さんの弾かれる音色は、いくら上手な生徒さんでも、明らかに違う音がするんですね。以前、秋山先生も出演されたピアノリサイタルの感想を書いた時にも書きましたけど、同じピアノ、同じ楽器なのに、音の粒立ちが全然違う。どういうことなんだろうなぁ。

娘の最初の発表会が無事に済んで、両親ともどもほっとしました。最初の発表会が楽しくないと、これからピアノを続けていこうという気持ちにも影響しちゃうでしょうしね。最初の入り口を通り抜けて、色んなしんどい坂道もあるかもしれないけど、この音楽の旅はきっと楽しめると思うから。家族3人で一緒に、音楽の道をぷらぷらと歩いていけたらいいよね。