声の張りということ

昨日は一人芝居の練習。初めて音響担当のO島くんが参加。今まで演出家=女房だけを相手にしていたのとはちょっと勝手が違って、緊張もあったのかもしれませんが、前半どうも波に乗れず、どんよりした作りになってしまいました。休憩で演出家=女房にカツを入れられ、後半なんとか持ち直しましたが、前半部分の作り方はちょっと根本的に見直さないとダメかも。ううむ。大丈夫かなぁ。

同じ芝居を、キャ○メ○ボックスの西川さんが6月に公演されるようです。なんといっても人気劇団の看板役者さんですから、素晴らしい舞台になるでしょうね。こちらはこちらで、いつもながらの手作りの濃密さで、なんとかいい舞台にしたいと思います。

しかし、当たり前なんですが、一人芝居ということになると、セリフの力、声の力、というのがすごく重要になる・・・というか、キャラクター自体を左右しちゃうんですね。今回、演出家=女房に出された、「トーンが落ちているから声をもっと張った方がいい」というダメ出しと、全く同じダメ出しを、声優修行中に受けたことがあります。洋画のアテレコ実習をやっていた時でした。
「もっとちゃんと腹から出せ!ささやき芝居だって、腹からきちんと出さないと、伝わらないんだ!」

声優という仕事だと、スタジオでマイク相手に喋るわけですから、どうしても腹から出る声の勢いがなくなりがちです。逆に、「もっとささやいて」というダメを出す演出家の先生もいらっしゃいました。今回のお芝居でも同じように、「小さな箱でやるんだから」という感覚があり、ささやくところやつぶやくところで、腹からきちんと声帯を鳴らした声を出さずに、ほんとにささやいたり、つぶやいたりしちゃった。そうすると、声が通らない、という物理的な現象だけじゃなくて、キャラクターそのものが、どんどん内向的な、暗いキャラクターになってきちゃった。声一つで、お芝居の性格が全然変わってしまうんですね。

怖いなぁ、と思いました。一瞬気が抜けてしまうと、そのままずるずる行っちゃう。かといって、あんまり強く声を張って、押し付けがましくなってしまうと、これまたキャラクターが変わってしまう。声を張りながら、独り言を言っているお芝居をする。これって基本だと思うんですけど、塩梅がほんとに難しいです。

あと4週間を切りました。4月になって通勤ラッシュもさらに厳しくなっていますが、満員電車の中での独り言修行も、さらに力が入りそうです。