クウガはやっぱりいいなぁ

土曜日はお花見でした。多摩川土手の桜は満開。いいお天気で、絶好のお花見日和でした。今日は花散らせの雨ですねぇ。自宅のベランダにも、裏の桜の花びらが点々と散っています。春の桜、夏の花火と、日本人って、どうしてこうぱあっと咲いてぱあっと散るものが好きなんですかね。咲くだけじゃなくて、散り際が美しくないと「粋」じゃないんだなぁ。

さて、今までの日記ではあんまり取り上げてなかったですけど、私、実は特撮オタクだったころがありまして、必然的に、いわゆる特撮ヒーローものっていうのには何となく無関心じゃいられなかったりします。とはいえ、東映特撮ものは全て欠かさず見ているみたいな律儀なファンじゃなくて、ちょっと話題になったものは気になって、ビデオやCATVでフォローするっていう程度なんですけどね。

個人的には、矢島信男さんの特撮研究所の映像が今ひとつ好みじゃなかったせいもあり、宇宙刑事もののブームにちょっと乗り遅れてしまい、その後、ビデオ合成が中心になったウルトラものの新作にもあまり興味を感じず、これ、という番組にはめぐり合えずにいたんですが・・・

クウガにははまりましたね。「仮面ライダー クウガ」。放送中は全然フォローしてなくて、例によって、「なんか、タダモノじゃないらしいぞ」という噂だけを聞いていて、ずっと気にはなっていたんですが、レンタルビデオで借り始めてどっぷりはまりました。
最初は付き合いで見ていた女房まで、グロンギ語が全て解読できるまでのめりこみ。こんなにはまったTVシリーズは久しぶりでした。

こんな話を書くのは、先週、東映チャンネルで、クウガの「グロンギ語字幕入り」版の集中放送が始まって、久しぶりに一話から見直したからなんですが・・・いや、やっぱりよくできてる。最近の仮面ライダーシリーズは全然フォローできてないんですけど、今の「平成ライダーシリーズ」の人気は、やっぱり「クウガ」の成功があったおかげみたいですね。イケメン男優さんたちを揃えて、お母さん方を視聴者に引き込んだ・・・というのが一つの成功要因だった、という部分は確かにあるかもしれない。でも、「クウガ」を観ていて、その世界にすんなり入っていけるのは、オダギリジョーさんと葛山信吾さんのお芝居の確かさ、が、一つの大きな要因になっている気がするんです。

五代雄介、という浮世離れしたキャラクターの説得力、というのは、確かにオダギリジョーさんの茫洋とした、それでいて十分に計算された演技がないと出てこなかったし、一条さんというキャラクターの存在感というのも、葛山さんの、基礎のしっかりした、安定感のある演技がないと産まれなかった。そういう点で、この2人のバランスがすごくうまく噛みあっていた気がします。オダギリジョーさんのお芝居が、米国じこみの、自然と湧き出てくるような奔放さがあるのに対して、葛山さんのお芝居には、時代劇もこなせる、ある意味形のしっかりした安心感がある。この二人を軸に、脇役の方々まで、非常にリアリティのある演技をきちんとこなしてらっしゃるところがとにかく好きです。

続く「アギト」も、数話見てみたのですが、要潤さんの大根芝居や、賀集くんのちょっとはしゃぎすぎの演技とかがどうも鼻についてしまって、何とものめりこめませんでした。お二人とも、今ではすっかりお芝居もお上手で、いい役者さんになってらっしゃいますけど、この頃は、オダギリさんや葛山さんの演技力が、どれだけこの空想世界にリアリティを与えていたか、改めて感じてしまいましたね。

平成ガメラシリーズで、金子修介監督が、小野寺昭さんのお芝居を称して、「彼のような人が宙を見つめるだけで、そこを飛んでいるガメラの姿にリアリティが出るんです」とおっしゃってました。あるべからざるものを見せるお芝居、というのは、実はてらいとかけれんとかではなく、どこまでも自然で、基本に忠実な演技なんだ・・・というのを、「クウガ」を見ながら改めて思いました。