ヤンゴン訪問記そのに〜街中は日本の中古車でいっぱい〜

神様というのは、浅田真央という存在に対してどこまで試練を与えれば気が済むのだろう、と、本当に憤懣やるかたない週末でした。でも聞けば、今年はずっとお母様の体調が悪く、遠征に行くたびに、これが最期かも、と覚悟して臨んでいたとか。NHK杯エキシビションで彼女が滑った「ジュピター」というプログラムは、お母さんへの思いもあったのかもしれませんね。あの「ジュピター」では、真央ちゃんが時々、ミシェル・クワンそっくりに見えて、さらにクワンをはるかに超えた、天界の表現の領域に踏み込んでいる気がしました。亡くなった人たちには、時間も場所も関係がなくなるから、どんなに遠くに遠征にいっても、これからはずっと、真央ちゃんのそばにお母様がいてくれるようになると思います。ご冥福を心からお祈りします。

さて、先日から書き続けているヤンゴン訪問記。今回は街歩きの印象を。

ヤンゴン市内観光をする時間があって、会議の出席者全員でバスに乗って移動したのだけど、このバスの横っ腹に大きく、「Hinomaru」と書いてある。ドアには大きく「自動扉」と書かれていて、車内に入ると、「この車の最高速度は80km/hです」と日本語で書いてある。日本の中古バスなんですね。Hinomaruのバスと、「神奈川県交通」と書かれたバスで市内観光に出かける。ヤンゴンの街を疾走する神奈川県交通バスってのもすごい。残念ながらこのバスの写真を撮り損ねたのですが、別の日に、ホテルの駐車場で見つけたのが、「濃飛バス」というバス。日本での現役生活を終えた観光バスたち、ヤンゴンではまだまだ現役で大活躍しています。
 

ヤンゴンで第二の人生を送る濃飛バス
 
そう思って市内の公共バスなんかを眺めてみると、千葉中央バス、とか、日本語が書かれたままのバスがたくさん走っています。バスだけではなくて、普通の乗用車も日本の中古車が多く、社用車の中古だと、「社内芳香剤製造(株)」なんて社名がそのまま書かれた車が走っている。

日本語が書かれたままの日本車がいっぱい市内を走り回っている、という光景を見るのは初めてではなくて、10年くらい前に行ったペルーのリマでも同じ光景を見たことがあります。日本語が書かれていると、日本の中古車である、ということが分かって逆に価値が上がるのだそうです。経済発展の途上で車社会を実現しようとすると、長持ちして修理の手間があまりかからない日本の中古車というのはやっぱり人気が高いらしい。市内を走る車の8〜9割は、日本の中古車、という感じでした。

頻繁にみかけたのが、普通のトラックの荷台に座席と屋根を取り付けた簡易バス。これにたくさんの人たちが鈴なりになって乗り込んでいます。
 

こんな感じ。
 
夕方に街歩きをしていたら、ホテルのすぐそばにあった建物の前に、この簡易バスが長い行列を作って並んでいる。よく見ると、横腹に、「School Bus」と書いてある。学校から児童を家まで送り届けるためのスクールバスの行列でした。緑色がスクールカラーらしく、どの子どもも緑色の制服を着ている。どの子どもも身ぎれいにしていたし、場所もホテルの近くだったから、多分富裕層の子供たちなんだろうなぁ、と想像。学校に近い通りを覗いてみれば、植民地スタイルの大邸宅で、車庫には車が4台くらいならんでいる家、なんてのがずらりと並んでいました。
 

学校の前で子供たちを待つ人の群れ


子供たちを乗せた簡易バス。なんだか楽しそうだね。

公共バスもすし詰め状態で、入り口に車掌さんがぶらさがって料金を回収しています。
 

この入口につかまっている人が手にしている銀色の容器は、どうやらお弁当らしい。この同じ容器を持っているお兄さん・お父さんたちをすごくたくさん見ました。軍隊で配られる規格品か何かなのだろうか。

学校の近くのショッピングモールに電気屋を見つけたので覗いてみる。IPODはもちろん、東芝製、サムソン製の薄型TV、大きな電気冷蔵庫など、立派な商品がずらりと並んでいます。炊飯器が85000チャット(大体80ドル)、薄型テレビは大体200000チャットから400000チャット(大体350ドル)くらいで買えるとか。平均月収が35ドル(2年前くらいの数字ですが)という国ですから、やはり贅沢品。

街歩きをしていると、たくさんの露店をみかけます。燃料は炭火、またはプロパンガス。露店の周りに鶏が闊歩している店が結構あったんだが、あの鶏はどのような運命をたどるのだろうか?
 

鶏と露店。奥には立派なかまどがあって、露店とはいえほぼ常駐状態。

鶏はいろんなところで見かけました。ニュージャージのリスと同じくらいの頻度でいる。リスは食えないか。食えるのかな。


トリ。トリ。トリ。

次回は、ボージョゼイ・マーケット(通称、スコット・マーケット)のことを中心に。では。