ヤンゴン訪問記そのいち〜象とクリスマス〜

最近日記の更新が滞っていてすみません。仕事もかなり忙しいのと、家財道具の整理を進めているせいで、なかなか時間が取れずにいます。24時間しかない1日が本当に飛ぶように過ぎていきます。気が付けば12月ももう3分の1が過ぎて、年末年始は家族でニューヨークで過ごす予定。それまでに、女房と娘の受け入れ態勢を整えないとね。

さて、先日行ってきたミャンマー、なかなか簡単に行く機会のない国なので、仕事の合間にできるだけ街の中をうろついてきました。多少自由になる時間もあったので、いろいろと見てきた街の様子など、レポートしてみたいと思います。ヤンゴン訪問記、ということで、ちょっと長くなるかもしれませんが、しばらくお付き合いください。

仕事柄、というか、いろんな国のいろんな街を歩き回りましたけど、やっぱりどの街もそれぞれの特徴があって楽しめます。今回のヤンゴン滞在は久しぶりの東南アジアだったんですが、内側から盛り上がってくる活力のようなものは、オリンピックの直前の北京のような感覚があって、ニューヨークの活力とは異質のものだなぁ、と思いました。ニューヨークという街は、どちらかというと外から活力が流れ込んでくる仕組みを作りあげている街、という感じがして、外からの活力がどんどん街を変化させていく、そのダイナミズムが面白い。東京という街はまた少し違っていて、新しい技術やコンテンツがあっという間に街に広がっていく、その勢いが旧来のものと衝突している最先端の現場、という感覚が街を面白くしているように思います。それに比べると、ヤンゴンや北京、というのは、外から来る活力もさることながら、もともとある地場の民衆の生活力や生命力みたいなものがすごく力強い感じがする。

東京からヤンゴンには直通便がないので、タイ航空を使ってバンコク経由で行きました。洪水の影響を心配したのだけど、バンコクの国際空港は全く問題なし。とても大きなきれいな空港です。バンコク市内でも南部にあるので、深刻な被害をこうむっている北部とは様相が違うらしい。バンコクまで約6時間、バンコクからヤンゴンまでは2時間程度のフライトです。

タイ航空を使ったのは初めてだったのだけど、コンチネンタルに慣れた体にはサービスの良さがありがたかった。コンチネンタルはシートTVがついているのがうれしいのだけど、それも善し悪しで、シートTVのサーバやルータが座席の下にある上に、シート自体が分厚いので、エコノミーの席だと足元が狭くなっちゃんですよね。行きのタイ航空はシートTVがない分、足元がとてもゆったりしていました。コンチネンタルと違ってアルコールが無料なのもおじさんにはうれしい。おいしい機内食というのを久しぶりに食べた気がした。

バンコクの空港で、同行した同僚に、「ミャンマーはクレジットカードが使えませんよ」と言われて焦る。日本円も通用しないので、現金のドルが必要とのこと。あわててクレジットカードでキャッシング、USドルをゲット。こういう時、クレジットカードっていうのは本当にありがたいよね。

バンコクからミャンマーに向かう機内で隣り合わせたドイツ人のおじさんと、アジア談義やらユーロ談義で盛り上がる。ネパールで長年飲料水の確保のためのボランティア活動をしていた、という方で、定年間近に20歳も年下の奥さんもらって、「8歳と10歳の子供がいるんだけど、クリスマス前には戻ってくるよっていって、友達とアジア周遊してるんだ」とのこと。元気なじいさん。

今回の会合は、ミャンマーの政府系企業が強力にバックアップしている半公的な国際会議、ということもあり、ヤンゴンの空港ではこの政府系企業の方々が出迎えてくれて、外交官窓口を通って入国。ヤンゴンの空港は想像していたよりも全然きれいで近代的です。もちろんそれほど規模は大きくないですが、日本のちょっとした地方空港みたいな感じでした。

宿泊したホテルは、Sadonaホテルというシンガポール資本のホテル。地元の方の説明だと、軍事政権が民主化を進める過程で、海外旅行者の泊まれるホテルの数をどんどん増やしていったそうで、その中でできた比較的新しいホテルだそうです。Inya Lakeというヤンゴンの北にあるきれいな湖のほとりに立っており、その湖のほとりにはアウンサンスーチー女史のお家も立っているそうで、以前米国人が泳いで渡ってスーチーさんの家に侵入して大騒ぎになった、その湖がまさに、このInya Lakeなのだそうな。
 

ホテルの窓から見えるInya Lake。
 
Inya Lakeのそばには遊歩道があり、朝から散歩している人がたくさんいます。大きな観覧車のある遊園地もある。
 

男性が着ているのはミャンマーの伝統的なスカート。ロンジーというそうな。

ホテルはすっかり西洋化された立派なホテルで、庭にはプールやテニスコートもある。
 

ホテルの裏庭。テニスコートやプールも完備。
 
先日書きましたが、庭の向こうに見えるMISという建物はMyanmar International Schoolで、Inya Lakeの対岸あたりは、Diplomatic Residence、という名前もついている。ヤンゴンは街の南を流れるヤンゴン川沿いに旧市街があり、南から北に向かって発展してきた街で、我々のホテルのある北のエリアは、そういう意味では新興かつ高級住宅街らしい。SONYTOYOTAといった日系企業も、このエリアに支社を出している様子でした。12月に入るとホテルのロビーにはクリスマス飾りが飾られ、館内にはクリスマスソングが流れ始め、欧州からの会合参加者は、「なんだか妙な気分だよ」と笑っていました。
 

象をバックにしたクリスマス飾り。ちょっとわかりにくいけど、後ろにいるのは吠えている象の像です。

そのいちはこのくらいにして、今後しばらく、市内で見かけた色んなことを書き連ねていきます。