二度目の北京 そのいち

帰ってきました。何事もなかったかのように仕事してます。色々と残務整理がばたばた。今回は日程も厳しかったので、それほど市内をうろうろする時間もなかったんですが、やっぱり、異文化の中で数日を過ごせば、それなりに面白い光景に出会うことができます。それが旅の醍醐味ですよね。今回印象に残った光景をいくつか・・・
 

(1)逆さまの「福」
北京事務所の同僚たちと食事に行ったお店で、「福」という字を書いた赤い飾りがぶら下がっていました。でも、どの「福」の字も、上下逆さまにぶら下がっている。「福」を逆さまにしちゃったら、まずいんじゃないの?、なんて思うんですが、中国人に聞くと、「倒福」という言葉の発音が、「到福」つまり、福が来る、という発音と同じなんですって。街中を歩いていても、扉に、逆さまの「福」の字が貼り付けてあるのを何度か見ました。日本の「春夏冬ラーメン」みたいなもんですかね。
 

(2)路地裏歩き
北京に来たら、大通りではなくて、ちょっと路地を入って歩くのがやっぱり面白い。治安、という意味ではやめた方がいいんでしょうけど、大通りではお目にかかれない、エネルギッシュな生活感に触れることができます。
前回北京にきた時は冬だったので、路上でたむろする人たち、というのにはほとんどお目にかからなかったのですが、今回は夏。湿気もさほど高くなく、過ごしやすいせいか、路上でトランプに熱中している人たちを何度か見かけました。将棋をしている人もいる。布の将棋盤を路上に置いて、丸い将棋のコマを前に、上半身裸でうなっている。すると、周りに段々ギャラリーが集まってくる。声高に、ああでもないこうでもない、と茶々を入れながらの対戦。側にはスイカを山積みにしたリアカーが止まり、普通の路上が市場になっている。市街地の再開発で、古い建物は次々に壊されているんですが、半壊状態のレンガ塀の奥から、人が出てきて水を撒いたりしている。住んでる人がいるんだ、と感動する。どこまでが壊れた家で、どこまでが住んでいる人がいる家か分からない。そして大通りに行くと、東京都心よりも新しくてきれいなビルで、お洒落な男女が颯爽と歩いている。なんとも不思議な街です。
 

(3)鉛筆回しって・・・
鉛筆回し、というのは、私が中学生か高校生の時に異様に流行り、周囲で出来ないやつはいないくらいに定着しました。未だに、手にペンや鉛筆を持つと、回しちゃいます。ぼおっとしていると、回ってます。困ったもんだ。
ちょっと前に、例の「冬のソナタ」のメイキング映像がNHKで流れていたときに、監督さんがくるくる鉛筆回しをしているのを見て驚愕した覚えがあります。韓国人も回してるじゃん。鉛筆回しって、そういえば、どこから産まれた技なんだろう。
そう思っていたら、今回ミーティングした中国の会社で、ミーティングに出てきた若いお姉さんが、やっぱり鉛筆をくるくる回していて再び驚愕。ううむ。中国にまで進出しているのか鉛筆回し。あなどれんなぁ。
そう思って、ネットで見てみたら、やっぱり同じ疑問を持っている人はいるらしく、鉛筆回しについてのページがありました。それによると、鉛筆回しのルーツはなんと、「韓国」では、という説が有力らしい。韓国の方々は、中学校あたりで猛特訓するそうです。アメリカでも、「東洋からの留学生はなんであんなに器用に鉛筆を回すんだ?」と言われるらしく、鉛筆回し、というのは東洋での共通文化のようです。さすがアジアの同胞。今日も元気に鉛筆を回そう。くるくる。