なまりっていうのは

こちらにきてもう9カ月。当初本当に苦労したヒアリングも、だんだんと耳が慣れてきて、なんとか職場で飛び交う業務英語にはかなりついていけるようになったのだけど、まだどうしてもクリアできないのが、なまり。特に、職場に一人いる、ロンドン娘のお姉さんの英語がどうしても聞き取れない。先日も、ブット、と聞こえて、なんじゃ、と思ったら、But、と言っていたのでした。ううむむむ。

ニューヨークは人種のるつぼですから、色んな国のなまりが聞こえてきます。アジア系の人のなまりは、やっぱり骨相が似ているせいか結構聞き取れるのだけど、もっとも難敵はインドなまり。ロンドンなまりも厳しいけど、意外とドイツなまりとか、北欧のなまりは結構しっかり聞き取れたりする。先日、我が家にレンタルピアノを運んできてくれたお兄さんたちはドイツなまりで、これはすごくよく聞き取れた。

以前、日本に住んでいる英国人の女性(旦那さんが日本人)と、うちの女房が友達になった。よくある話ですが、彼女の息子さんと、うちの娘が同じ年で、ある育児サークルで一緒になったんですね。この英国人女性が、教科書に書かれているようなきちんとした日本語ならしっかり聞き取れるし、自分もしっかり喋るのだけど、少しでも崩れてしまうとすぐ聞き取れなくなる、とおっしゃっていたそうです。(「まじやばくね?」なんて言われるとたぶんチンプンカンプンなんだろうね)なまり、というのとは少し違うけど、そういう崩れた英語っていうのに中々ついていけない。

こちらに来た時から気になっていたゼスチャーで、両手の人差し指と中指でピースマークを作って、その指を同時にくいくいっと曲げて見せる、というゼスチャーがありました。会議とかしていると、時々こちらの人がやる。意味が分からず、女房が最近通っている英語教室の先生に聞いてみてもらったら、

””(コーテーションマーク)を身振りで表現していて、日本語でいえば、「いわゆる」とか、「かぎかっこ付きの」みたいな多少シニカルな意味合いのゼスチャー

とのこと。英語会話教室ではなかなか習わない話だよね。確かに、先日も会議で誰かが使っていたけど、「これっていわゆる「Incident」だよね」みたいな感じで使っていた。なるほどなぁ。

なんてことをつらつら書いているのは、先日からTVジャパンで始まった、NHKで放送されている「フェイク」というTVドラマをちらりと見ていたから。南野陽子の関西弁が自然なのは当然なんだが(神戸出身だしね)、財前直見さんの京都弁がどうも不自然で耳につくなぁ、と思いながら聞いていて、そう考えると、日本語を勉強している人が関西に行ったらかなり面食らうだろうなぁ、と思ったことですよ。スティーブン・セーガルみたいに、結婚相手が関西の人だったから、関西弁が上手な外国人もいるけどね。

さて、いつものようにワンダフルワンコの棚卸し、今日も2作品掲載です。

第28話「びりびり」

第29話「ぼてっ」