帰って来ました

随分ご無沙汰してしまいました。先週末まで、北京、上海と出張してきて、今週頭から出社しております。出張報告だの、資料の整理などでじたばた・・・出張中のホテルのベッドはやっぱり寝付かれず、どうしても疲労が溜まりますから、今週はかなりキツイです。GWが待ち遠しいよお・・・

さて、今回の出張では、初めて上海を訪問したのですが、さすがに、中国は広い。北京とは全く違う街の雰囲気が実に面白かったです。もちろん、ビジネス出張ですから、それほど深く街の日常に触れられるわけではない。でも、少しだけ歩いた街の雰囲気や、垣間見た部分部分の印象で、心に残ったことをいくつか書き連ねてみます。
 
・上海の方が美人が多いな

またかよ、と思われるかもしれませんが、またしてもスケベオヤジの感想です。北京の女性は、化粧っけが薄くて、ほとんどスッピン状態で、着ている服も実用一辺倒な感じがします。あんまり垢抜けてない。でも、上海は、道を歩いている普通の女性が、化粧が上手で、着ている服もおしゃれ。多分、素顔はさほど変わらないのだと思うのだけど、上海の女性の方が派手目で外へのアピールが上手なんでしょうね。特に、歩き回っていたのが浦東新区という開発エリアで、働いている人たちの所得水準も高いエリアだった、というのもあるのでしょうが。
 
・北京は壊しているけど、上海はそうでもない。

上海でも、開発ラッシュ、建設ラッシュは続いていて、日本では想像できないくらい広大な範囲に、新しいマンションやオフィスビルが続々と建てられています。でも、北京よりは、古い建物が残っている気がしました。前述の浦東新区というのは、上海市内を流れる川の東側のエリアですが、こちらでは相当、古い建物を壊して新しいビルを建てています。でも、いわゆる旧市街(川の西側)には、植民地時代の古い町並みがまだかなり残っています。町の中の道も、北京ほど広い道路が十字に交差している印象ではなくて、古くからある曲がりくねった道筋がまだ生きている、自然な町並み、という感じがしました。
 
・建物の形が雑多。

北京は、重厚で広い敷地を使った巨大な建物が多いです。その代わり、建物の高さは制限されていて、中央部分にあるお役所を見下ろせない高さになっている。そういうお役所的な均一感も手伝ってか、大理石造りの灰白色の建物がずらっと並んでいる印象があります。(実際にはもう少し色にもヴァラエティがあるんだが)
上海は、というと、前述の旧市街の三角屋根はもちろんのこと、高さ制限もないから超高層ビルがずらずら。何を考えてこんな建物を建ててしまったんだ、と呆然する代表が、上海の最も有名なランドマークのテレビ塔。あんなの手塚治虫の漫画の未来都市にしか出てこないだろう。素っ頓狂なデザインのビルはあのテレビ塔だけじゃなくて、ビルの上に円盤が載っていたり、ビルの中に巨大な球体が浮かんでいたり、建築家が遊びまくっているようなとんでもないデザインのビルだらけ。日本だと、耐震強度なんかもあって、ここまで遊べないのかもしれないですけどねぇ。もちろん、日本にだって、外国人観光客の度肝を抜いている、アサヒビールの本社ビルの金色のウ○コ、という強烈なランドマークがあるんだけど。
 
・やっぱり商売の街

空き時間に、豫園という観光スポットに行ったのですが、とにかく所狭しと並んでいる土産物店の数に圧倒される。ここだけでなくても、街を歩いていると、道に面している各店の間口がやけに狭い。ある街角では、路地の壁面のわずかな隙間に靴を並べて売っている露店のような店もありました。やっぱり商売の街なんですね。
 
ビジネスマンが歩くような場所ばかりをうろついていたので、中国でよく言われる「貧富の差」を実感する機会はほとんどなかったのですが、一度だけ。夜、食事をしてホテルに戻ってくると、ホテルの前に、ぽつんと、可愛いチャイナドレスを着た小さな女の子が所在なさげに立っている。何だろう、と思う間もなく、こちらを見つけるなり、何か呟きながら我々の前に手を出してきた。そこで乞食だと気づいて、後は無視するしかなかったのだけど、自分の娘と同じくらいの年頃の子供だけに、なんとも痛ましい気持ちが残ってしまいました。

上海にせよ、北京にせよ、開発と都市化が進んで、下手をすれば東京なんかよりも綺麗じゃないかな、と思うような町並みがあります。でも、そんな街だけを見ていたら、この国は理解できない。ニューヨークやロスのビジネスマンだけを見ていたら、中南西部のレッド・アメリカを見誤ってしまうように、中国は広大な大陸の懐を抱えている。上海駐在の同僚たちが、「上海から電車でチベットまで行けちゃうんですよね」なんて話を飲み会でしているのを聞くと、この国の奥深さが何となく頭では理解できる気がします。その空間の広がりを実感するのは中々難しいことなのだけれど。