娘のピアノコンクール終了

夏からずっと取り組んできた娘のピアノコンクール。最後の本選が月曜日にあり、残念ながら全国大会には進めなかったものの、家族一同、十二分に満足したコンクールになりました。

もともと想像はしていたのだけど、ピアノコンクールに出場する子供たち、というのは本当にすごい子供たちばっかりですねぇ。うちの娘も、私なんかの目から見れば相当弾けるように思うのだけど、出場してくる子供たちを見れば、小学校低学年でショパンをばらばら弾いちゃう子もいれば、娘と同じくらいの年の子がドビッシーの「グラドウス・アド・パルナッスム博士」なんかを見事に弾きこなしてしまう。ただただ目が点。

うちの娘は、贔屓目ではあるのだけど、曲のフレーズ感の捉え方が上手で、千葉の本選の時にも、「よく歌えています」という評価をもらいました。でも、譜読みが苦手なんだよね。音符が沢山あってばらばら指を動かさないといけない曲だと辛い。なので、今回本選の曲に選んだ、カバレフスキーの「バラード」にしても、ブルグミュラーの「空気の精」にしても、ゆったりとした長いフレーズ感のある曲。歌える曲、という意味では娘にぴったりの選曲で、指導してくださっているA先生が、本当に娘の特性をよく考えてくださったなぁ、と感心。

でも、本選を突破したり、入賞したりしている子供たちは、指がすごく動く上に、加えて、長いフレーズを見事に歌えることができる子供ばかり。6年生くらいの子供たちになると、踊るように軽やかに動く指の下から、長い長いフレーズが絶え間なく生まれてくるだけでなく、曲全体の構成や物語、あるいは子供たち自身の個性まで見えてくるような、見事な演奏を聞かせてくれる。以前、音大出身の若いピアニストさん達の演奏会を聞いたことがあったけど、その人たちよりもぐっと密度の濃いレベルの高い演奏まである。すごいなぁ、と思って聞いていました。

さすがに全国大会出場なんてのは相当難しいだろうな、とは思っていたのだけど、それにしてもみんな本当に素晴らしい。本物のすごさを知った、という意味でも、いい経験だったと思うのですけど、娘にとっては、一つの曲をきちんと仕上げて、それを舞台で、一人ぽっちでお客様に聞いてもらう、ということ自体が、とてもいい経験になったようです。目標にしていた、千葉の本選よりも少しでも高い点数を取る、というのもぎりぎりクリア。コンクールが終わって、先生から新しい課題曲をもらい、早速翌日からピアノに向かっています。今回の経験で、さらにピアノが面白くなってきたみたいです。

会場になったのは、多摩センターのパルテノン多摩。コンクールの結果待ちの間、上の階にある地中海料理のレストランに入って美味しいお夕飯も楽しめました。多摩センターの駅前はなんだか全体がディズニーランドの中のような、ちょっと御伽噺の世界のような場所で、駅から続く長く幅の広い坂道の一番上に、パルテノン多摩があります。コンクール会場の小ホールも、木の柔らかさが心地よいとても素敵な場所。娘は「ピューロランドの駅じゃん」と言いながら、ホールもレストランもひっくるめて、コンクールを楽しめたようです。いい機会を与えてくださったA先生には本当に感謝。いつか娘の伴奏で、夫婦でデュエットを歌える日がくるといいなぁ。