淹れる、という漢字を使うところにちょっとこだわりが垣間見えたりするわけですけど、少し前から、会社でペーパードリップでコーヒーを淹れるのが日課になっています。
そもそもは結構セコい所からスタートしていて、会社でノドが乾いてペットボトル飲料をさんざ買い込むのがもったいない・・・と思ったのが出発点。一本130円とか150円のジュースを買うよりも、400円くらいのインスタントコーヒー買った方が、よっぽどコストパフォーマンスがいいじゃない、くらいの気持ちで、インスタントコーヒーを飲んでました。
そのうちに、職場の同僚たちが、ペーパードリップでコーヒーを淹れているのを見て、その香りにちょっと惹かれはじめる。せめてインスタントじゃなくて、と思い立ち、使い捨てフィルター式のやつを買い始めたのだけど、これは結構コストパフォーマンスが悪い。色々試行錯誤の末、会社の近所のドトールで挽いてもらったコーヒーでペーパードリップで淹れるのが、味と価格のバランスが取れていて悪くない、という結論に。そんなに高級品を追及する根性はないわけです。今は夏場なので、ポットに氷を入れて会社に持って行き、そのポットに直接コーヒーを抽出、アイスコーヒーにして飲んでいます。
そんなことをしていたら、パントリーで同じようにペーパードリップでコーヒーを淹れている同僚が、美味しいコーヒーの淹れ方について色々と薀蓄を語ってくれる。そうなると、段々、家庭で飲むコーヒーにもこだわりが出てきてしまって、とうとう、家でもペーパードリップの道具を買い込んでしまいました。私が時々それでコーヒーを淹れていると、娘が、「コーヒー牛乳にして私も飲みたい」と言ってくる。てなわけで、家族そろって、パパの淹れたコーヒーを時々飲んでいます。
コーヒーを淹れていて面白いなぁ、と思うのは、豆にお湯を注ぎ込んだ時の反応が、その時の豆や淹れ方によって全然変わること。蒸らした豆にお湯を注いだ時に、泡がふわっと広がって、そこにお湯を追加でゆっくり注いでいくと、少し白っぽくなった新しい泡が中央から次々と浮き上がってくる。ふんわり膨らんだ泡の塊が、火山の溶岩が少しずつ溢れて固まるような感じで、幾重にも重なって盛り上がっていく・・・そういう感じになるのが好きなんだけど、なかなか綺麗に泡が膨らんでくれない。今みたいに梅雨時だと、豆自体がちょっと湿っていたりして、お湯のはけ具合が悪かったりする。値段が高い豆だから上手に淹れられるか、というとそうでもなかったりする。その日その時の状況によって、うまく淹れられた日と、なかなかうまく行かなかった日が分かれてしまう、そういう気まぐれな感じがいい。
・・・で、美味しいコーヒーが淹れられているか、というと、淹れた当人は大満足なんですけど、女房あたりは、「ちょっと私には強すぎるなぁ」なんてことで、お湯を加えてアメリカンにして飲んでいたりする。淹れる人の腕もあり、なかなか万民に受け入れられる安定した味には程遠いようです。