舞台の準備って試験勉強に似ている

娘が期末試験の時期で、昨日も図書館にこもって勉強。夜帰ってきてもうだうだとなかなか寝ようとしない。早く寝ないと、明日の試験に差し障るよ、と言うと、「寝ると明日が来てしまうじゃないかぁ」という。いや、起きてても明日は来るから。そして明日はテストがあるから。ぶつぶつ言いながら、我が家の中学三年生は、夜更かしを切り上げて就寝、今朝観念して学校に行きました。さて、結果はどうなることやら。

話は変わって、今年の我が家の舞台活動のこと。色んな関係者や出演者と話し合いをしたり、メールのやりとりをしたり、様々な下準備を経て、概要が大体見えてきました。自分の実力をはるかに超えた盛りだくさんなプログラムが目白押しで、今から不安も一杯ですが、とにかく前に進んでいくしかない。

舞台を準備する上で、舞台周りの色んな準備ももちろん大事。上述のような関係者の間の調整や、プログラム構成や段取りの確認、楽譜の手配やチラシ、宣伝、その他、企画プロデュース面での準備も着々と進めていかねばなりません。

でも、一出演者、一歌い手としての準備だけを取り上げると、これって結構試験勉強に似てると思うんだね。楽譜を用意して、製本して、自分が歌うところにマークを付ける。ノートを取って、大事なところに線を引いて覚えるのとなんだか似てる。通勤電車の中で読みやすいように楽譜を縮小コピーしたりしながら、なんだか単語カードを作ってぶつぶつ電車の中で覚えていた学生時代みたいだなーと思ったり。練習する時間を確保するために時間割を作ったり、週末のスケジュールを組んだりするのも、教科別に時間割を組んで勉強していた学生時代のよう。

本質的に、一番似通ってると思うのは、誰も助けてくれない、ということ。本番の試験会場で、テスト用紙と向き合うのは自分だけ。舞台に立ってしまえば、お客様に向かって声を出すのは自分だけの仕事。声を合わせる合唱とかは、他の人の力を頼ることもあるけれど、オペラアリアとか重唱とかは、オケや指揮者に助けられる部分が多々あったとしても、やっぱり最後は、自分がどれだけ自分のパートをしっかり歌えるか、ということにかかってくる。学校時代の同級生同士のように、共演者同士で、頑張ろう、と言い合ったり、一緒に勉強したり、教え合ったり、なんてことはできても、舞台に立ってしまえばあとは一人で、頭の中に叩き込んだ楽譜と向き合うことしかできない。

それはたぶん、一つの舞台を作っていくプロセスに限ったことではなくて、歌い手としての技術を磨いていくプロセスそのものにも言えること。いい先生や仲間の素晴らしいアドバイスに恵まれたとしても、自分の歌を変えることができるのは自分自身しかいない。いい参考書や家庭教師に恵まれても、自分が理解しなければ問題は解けない。頑張ろうと励ましあうことができる同級生や仲間がいても、代わりに問題を解いてはくれない。歌の技量の壁にぶち当たったとしても、それを解決できるのは自分だけ。

そして試験と共通しているもう一つの大事なことは、一つ一つの舞台はそれぞれが一発勝負、一期一会の場だ、ということ。その一つ一つの舞台という着地点に向けて、試験勉強のように準備を進めています。


というわけで、12月の大きな舞台の楽譜整理しました。中身見るの怖いので、まずはペタメモ付けたり、と、形から入ってます。分厚いなぁ。