芸は身を助く、というか

先日、NY近辺の合唱団の合唱祭に行って来て、NY混声合唱団の皆さんと知り合いに。そのまま、入団してしまいました。仕事の様子を見ながらの参加になるので、ご迷惑をかけることが多いかも、と思うのですが、歌う場所が確保できてなんだか安心する。入団手続きの申込書を書いていて、歌の経験は、という欄に、27年、と書く。大学合唱団に入って以来になるから、45年生きてきて、もう半分以上の期間、クラシック歌唱を続けているんだなぁ。その割にはまだ下手っぴいだが。

合唱団の方が参加されるということで、カーネギーホールで6月20日に開催された、World CIVIC Orchestra and Choirの結成演奏会のチケットをいただきました。芸は身を助く、というか、歌を続けていたおかげで、渡米2ヶ月もたたずにカーネギーホールに行けることに。ありがたい話です。

演奏会は、DANA Wilsonという作曲家の委嘱曲、Barberの「弦楽器のためのアダージョ」、Gershwinの「サマータイム」(ジャズエレキバイオリンとオーケストラの共演)、そして、ベートーベンの第九、という構成。アメリカの演奏会だなぁ、と思ったのは、第九とか、楽章ごとに拍手が出ちゃうんですね。ノリがむちゃくちゃいい。「サマータイム」とか、やっぱり上手で、さすがアメリカのオケだなぁ、と思いました。第九は若干荒っぽくて、合唱の方がきちんと歌っている感じがした。

合唱団で今練習しているのは、木下牧子さんの「夢見たものは」。マンハッタンの真ん中にある、日系人会館、という所が練習場なのだけど、マンハッタンの真ん中で歌う日本語合唱曲、というのは、なんだかそれだけでわくわくするものがあります。団員さんは、私と同じような駐在員の方、永住を決めたご夫婦、そのお子さん、あるいは、二世の日系人の方など様々。合唱経験も雑多で、京都エコーで歌っていた方から、つい1年前から合唱を始めて、「声を出すのって楽しいわねぇ」とニコニコしている方など、これも様々。でもどんな場所でも、歌は本当に大変だし、面白い。「夢見たものは」のどの曲も、日本語のリズムの面白さや、母音をひたすらロングトーンで歌い継いでいくフレーズの美しさなど、これから作り上げていく楽しみがいっぱいある曲。

ニューヨークの真ん中で、日本語の歌を歌う、ということの意味を、自分なりにしっかり見つめながら、この団体で自分ができることを考えていきたいと思っています。いずれにせよ、一気に世界が広がっていく感じがして、今から本当に楽しみです。