ケーブル敷設船に乗っています

先日の日記にも書きましたが、投票日であり、討ち入りの日であり、うちの娘の誕生日である12月14日から、会社の仕事の関係で、海底通信ケーブルを敷設するケーブル敷設船に同乗することになりました。横浜から乗船し、北九州の母港まで、11日間の訓練航海。新型の海底作業ロボットの操作検証が主要目的になります。仕事の関係はちょっと差し障りもあるので、初めて経験した船上生活のことをちょっと書きます。大型客船の豪華クルーズなんかと違って、海の上の町工場といった趣きのケーブル敷設船の生活は、一言で言うと、意外と快適な男子寮みたいな感じでした。多分他の作業船に乗ったことのある方から見ると、そんなの珍しいよ、と思われることもあるかと思いますんで、私の乗った船ではこうでした、という話としてお読みください。


私があてがわれた船室。一般船員と同じ船室ですが、ベッドの下にはクローゼットや冷蔵庫もあり、この写真の左側には机もあって、一人で暮らすには充分。トイレとお風呂は共同です。


お風呂場。結構立派でびっくり。上級船室になると部屋の中にシャワーがあるそうですが、この船ではそういう船室が少なく、結果、女性船員は滅多に受け入れられないそうです。ちなみにこの会社ではもう一隻のケーブル敷設船を持っていて、そちらでは女性船員が複数人いらっしゃって大活躍されています。

乗船前、一番心配だったのは船酔い。乗船が決まってからも周りの同僚に、「東京湾を出たら揺れがひどくて確実に酔う」とか、「私は半月船室に閉じこもって半分廃人だった」とか、船酔いに対するロクでもない情報ばかり聞いていたものだから、酔い止めを大量に買い込んで乗船。実際、太平洋を西に航海している2日間ほどは、通路をまっすぐ歩けないほど揺れたのだけど、不思議と全く船酔いにはならず、食欲もほとんど衰えずピンピンしています。なんでだろう。陸上ではバスでも酔うのに。

ケーブル敷設と船の運航、というのはそれぞれに特殊な技術なので、この会社では、船運航スタッフとケーブル敷設スタッフを別の会社が担っています。船運航スタッフにはフィリピン出身の船員さんが多く、その関係もあって、食堂も二つに分かれていて、食事も、船運航者のメニューと、ケーブル敷設スタッフのメニューが分かれています。


ケーブル敷設スタッフの食堂。奥に見えるのが船運航スタッフの食堂。

シェフもフィリピン人なので、ちょっと変わった味の和食メニューです。でもパッと見は結構ちゃんとした和食。お味噌汁に出汁を引いてない感じがするくらいかな。基本はガッツリ系のメニューで、メインディシュがしっかりあるのに、副菜もたっぷり、という男子校メニュー。


ある晩の夕食。ラーメンライスですでに男の子メニューなんだけど、その脇のシューマイ付きサラダが準主役級の存在感を示している。

船は太平洋の深海部での訓練を終え、対馬近海での浅海部作業訓練に備えて、北九州港に停泊中。ネットにもつながるので、この投稿と相成りました。今回の航海、また別の機会に投稿したいと思います。


出航した本牧埠頭から見た夕日。海から見る太陽ってなんでこうワクワクするのかね〜。