買っちゃいました&ステファニー・ブライスさんのこと

IT企業と呼ばれる会社に勤めている割には、スマホからも縁どおく、別にいいじゃん、普通の携帯ですら使いこなせてないのに、と、ガラケーとPCで「何か不都合でも?」と開き直っておりました。でも、FACEBOOKとか、ブログなんかをガラケーで見てたりすると、目に老化がきたおっさんとしてはかなり厳しい。同僚や友達が使っているタブレット端末にはあんまり食指は動かなかったのだけど、ネクサス7あたりでかなり心が動き始める。通勤電車の中で片手で読める情報端末、というのが非常に琴線に触れる。どうすっかなーといろいろ悩んだ末に、遂に購入してしまいました、iPadmini。この日記も、買ったばかりのiPadminiで書いてます。予測変換が携帯並みなので、キーボードの操作性が低いのが補われて、ストレスもあんまりない。

auショップあたりでは在庫がなくて予約が必要かも、という話もあったのだけど、普通に週末に行った調布駅前のauショップで問題なく購入。今はとにかくいじりまくって遊んでいるところです。先日のガレリア座の練習をビデオに撮ってみたり。予想はしていましたが、先行してスマホユーザーになっていた娘に色々と教わっています。気がつくと、ホヴォロストフスキーのかっこいい写真がフォルダーに入っていたりして。(先日のライブヴューイング以来、娘は銀髪ホヴォロストフスキーにメロメロ)

というわけで、ブログもFACEBOOKも、閲覧のやり方だけじゃなく、情報発信のやり方自体変わりそうな感じがします。今まで自宅のPCの前で、一種改まった気持ちで日々の出来事を発信していたものが、より刹那的になっていくのかも。それって良し悪しだとは思うんだけどね。

話は変わって、一つ、先日のMETライブヴューイングの記事の中で、触れ損ねていたソリストがいたので、追記です。後日、同じ「仮面舞踏会」のライヴヴューイングを見に行ったうちの女房が、「何故キミはステファニー・ブライスのウルリカについて触れないのだ!」と猛抗議。このオペラの中では、1幕後半にしか登場しない役柄ながら、まさに大砲のような、こちらの予想する音圧を圧倒的に上回る歌唱で女房は茫然としたそうな。

ステファニー・ブライスさんは、家族で行った2011年のタングルウッド音楽祭で、フェローさん達がやったフランス歌曲の発表ステージで、講師として模範演奏を聞かせてくれた方。フェローさん達も決して並みではない素晴らしい歌を聞かせてくれたのだけれど、ブライスさんの歌が、声が、セイジオザワホールの建物をこえ、タングルウッドの森の木々をふわっと包み込むような、素晴らしい響きで聴衆のブラヴォーを誘ったことを思い出す。女房は、「あれだけの声量があっても、けっして声ががさつかない、どこまでもクリアで、品があって、キレも豊かさもある、あんなウルリカありえない」と興奮しきりでした。いまだに我が家では家族で「仮面舞踏会」の余韻に浸っております。娘はホヴォロストフスキーの歌うレナートのアリア「お前こそ心を汚すもの」をiPodに入れてうっとりしながら通学している。それでいいのだろうか。