年末年始のあれこれ

あけましておめでとうございます。今年も例によって、家族の記録やら日々の雑感やら、つらつらと並べて参ります。お付き合いいただければ望外の幸せでございます。

さて、今年は、毎年恒例だった花巻温泉での年末年始に3年ぶりに行くことができました。昨年・一昨年はニューヨークでの年越しだったからね。31日の大みそか、久しぶりの東北新幹線に3人で乗って出発。大みそかになったらさすがに帰省ラッシュも緩和されているかな、なんて思ったんですがそれは大甘で、東京駅内は大混雑でした。日本に戻ってきていつも思うけど、こういう公共施設の天井が低いから、なんだか圧迫感があって混雑感覚が増長されますよね。ニューヨークのグランドセントラルとか、すごく混雑することもあるけど天井が高いので救われている。特に新幹線乗り場近辺は無駄に扉だの柱だの短いエスカレーターだのの構造物が多くて、それも混雑感覚を増す。混みあう東京駅で駅弁を買って、いざ東北へ。


駅弁も三陸弁当を選びました。

今年は例年よりも雪の多い年末年始だったので、北に向うにしたがって窓の外に雪景色が広がってくる。雪の好きな娘は新花巻の駅に降り立っただけでわくわく大喜び。なぜか女房もはしゃいで、賢治さんの記念碑の前で写真を撮りまくる。というか、花巻市内にはなんぼほど賢治さんの記念碑があるんだ。


雪景色の中ではしゃぐ人々。

降り続く雪は花巻市街から若干山間の温泉街に近づいていくと、どんどん粉雪に近づいてきます。ホテルに着いた頃には、周囲はすっかり雪国の趣に。


寒い時には雪国に行くのがいいですよねー。

義兄の家族も到着して、にぎやかに年越しの夕食を囲んだ後、紅白歌合戦を途中から見る。今年の紅白は美輪明宏さんの「ヨイトマケの歌」がすごかったけど、個人的には矢沢永吉さんのステージが好きでした。60過ぎてもあれができるのが理想。

紅白も終わると、深夜0時から、恒例の「元朝裸参り」が始まります。花巻温泉の3つの大きなホテルの前を、褌姿の男たちが行列を作って歩き、温泉街の入り口にある稲荷神社に初詣をするイベント。行列に参加する方々には大変ですが、このイベントはやっぱり雪景色の中が似合います。


雪にかがり火の赤が鮮やか。初詣のことを、元朝参り、というのは関西では耳慣れない言葉で、東北の言い回しのようですね。

元旦の朝、これも恒例にしている着物での家族写真撮影。ホテルの近くの美容院に娘と一緒に行く。木の枝や軒下に下がったつららを見つけて二人ではしゃぐ。ニューヨークでも雪は降ったけど、つららってのはあまり見なかった気がします。今回娘が着るのは、女房の祖母が反物から自分で縫い上げた総絞の振袖。まず女房の姉が着て、その次に女房が着て、娘は三代目になるお着物。着物っていうのはこうやって代々受け継がれていくのが素敵だよね。


女房と並んで帯をお見せします。この帯の形の作り方も、温泉宿の美容院らしく素晴らしく手馴れていました。

義兄の娘たちも着飾って、女房だけでなく、私や義父母も着物姿で家族写真を撮る。またこういう恒例行事が戻ってきたことに、なんだかほっとします。


義兄の娘たちとうちの娘で並んで

ニューヨークにいた頃は、演奏会に着ていったり、と、着物を着る機会が結構あったんですが、帰国してからかえって着物を着ることがなかった気がしていて、ちょっと嬉しかったりする。お昼も着物姿でいただいて、ラウンジでお茶。このホテル花巻の庭は、日本の代表的な庭園を紹介した写真集にも載っている有名な庭ですが、雪景色になるとさらに美しさが増します。


雪景色をバックにお茶。

華やかで気持ちも年始らしく引き締まるものの、さすがに振袖となると相当大変らしく、娘はかなりグロッキー気味になってくる。何とか夕方まで頑張ったけれど、お部屋に戻るとぐったり。


ばたんきゅー。

元日はこんな風に過ぎて、翌日以降のことは明日また書きます。ではでは。