システムに使われる

たまには仕事のお話をば。

昨日はGW直前の金曜日、朝になって、部下が青くなって飛んできて、「Singさん、経理システムのコードの書き換えが終わってません」と言ってくる。そういえば、4月から費用分計のルールが変わる、ということで、新しい分計コードを作っておいたのに、肝心の費用項目を割り当てる作業を忘れてそのまま放置していたことに気付く。経理担当者に聞けば、締め切りは本日定時までです、と。そのコードに分類されるべき費用項目の洗い出しから、システムへの投入まで、1日で終わらせなきゃいけない。部下と一緒に青ざめる。

あわてて部内確認してみれば、費用項目の洗い出し自体はさほど時間を取らずにできることが判明、ほっと一息。あとはシステム上のコードの付け替えだけだね、と思っていたのに、打ち合わせから戻ってきても部下が経理担当と電話しながら、悪戦苦闘している。「該当費用項目だけ抽出して付け替えようとしているのに、どうしても関係ない費用項目が抽出されてくるんです」と。何度トライしても、システムの構成上、その費用項目だけを抽出することができない。仕方ないので、一件一件対象項目を拾いだし、リストを作って、上位権限を持っている経理担当者が、システムに投入する、という手順に切り替え。

さて、やっと該当項目に新しいコードを付け終わりましたので、承認をお願いします、と言われ、システム上で承認ボタンを押す。これでデータが経理担当者に行って、経理担当者が承認すれば終了。夕方に間に合ったね、とほっと一息ついたら、経理担当者から電話がかかってきて、「承認手続きが終わってません」と。

オレはもう承認したぞ、誰が承認してないんだ?と確認してみたら、費用項目に別の部署の担当者の名前が紐づいていたことが判明。この担当者もシステム承認をしないといけない手順ですと言われる。そんなこと、システムのマニュアルにも載ってないじゃん、と言っても後の祭り。その担当者は出張中で社内LANに接続することができない。結局、月末の締め切りは守れず、特別枠で月初に処理してもらうことになりました。朝から必死になって対応していたのに、と部下ともども脱力。

エクセルとかワードとかパワーポイントとかを使っていても、自分が表現したいもの、計算したいものが出てきてこなくて四苦八苦しているうちに、ひたすら時間が過ぎていく、なんてことがあります。システムの構造とか埋め込まれている仕組みを読み解くために費やされている時間っていうのが、ものすごく労働生産性を下げているような気がするのは、私だけかなぁ。

なんて考えると、いわゆる官僚システム、なんていうのも一つのシステムだし、会社組織における社内合議とか根回し、なんていうのも意思決定のための一つのシステムだよね。本来、人間の仕事を楽にしたり、大きなことを実現するために作られたシステムが、逆に人の時間を費消したり、人を振り回したりする。そういう「システムに人がこき使われる」状況っていうのは、エジプトで官僚制度が発達した太古の昔からありふれたことなのかもしれない。

まぁ、エクセルとかパワーポイントの使い方が分からなくて四苦八苦している、というのは、私みたいな中年オヤジ固有の現象かもしれんが。先日、娘が私のPCで、パワーポイントのアニメーション機能を駆使して、「我が家の紹介」みたいなプレゼンテーションを作っていて、デジタル世代の適応力に驚嘆いたしました。今度システムに意地悪されたら娘に救ってもらおうっと。