ティオ君に再会!!

今日、合唱団麗鳴の練習があり、7月の演奏会の曲目を決める話し合いがありました。結果、7月の演奏会のメイン曲は、木下牧子さんの「ティオの夜の旅」に決まりました。ずいぶん前に、この日記にも書いたことがありますが、私が大学時代に所属していた合唱団で取り上げたことのある曲。25年くらいの時を経ての再会です。木下牧子さんのデビュー作である「方舟」に比べると、最近あまり取り上げられることが少ないそうで、中館先生も、「これは楽譜は受注生産になるんじゃないかな」とおっしゃっていました。いい曲なのになぁ。

池澤夏樹さんの「南の島のティオ」の朗読シリーズ(絶対再開するぞ!)を続けている自分としては、「ティオ」への思いは特別なものがあります。女房あたりに言わせると、「大学生くらいの少し青臭いくらいの合唱団が歌うと絶品の曲なんだがな」とのことですが、25年の時間を経て、この曲が自分にどう響くか、今からすごく楽しみです。

ティオは、自分が好きな表現形式である、合唱・映画・朗読の全てでかかわってきた池澤夏樹さんの生み出した少年。いきなりの海外転勤、さらにまたいきなりの帰国と、自分自身のポジションが不安定な状態になっている時に、またティオくんに会えるというのが、なんだかすごく嬉しい。もう一回、色んな意味で、自分の原点にしっかり戻ってごらん、と、誰かに言われているような気がする。もちろん、25年という時間を経て、全く違う表現技術を身に着けてはいるだろうけど、そういう技術があるからこそ、新しく見えてくるものがあるんだろうし、逆に忘れてしまっていた自分の目線が、すごく新鮮だったりするかもしれない。

先日の日記に書いた、アンジェラ・アキの「手紙」もやることになったんですが、ご存じの通り、この「手紙」というのは、15歳の中二病の自分が、大人の自分に書いた手紙、というのがテーマになっていて、同じ曲の中で、15歳の自分と大人の自分を演じ分ける、というのがポイントになります。大人の自分も、押しつけがましくならず、15の自分も嘘くさくならず、いいバランスを保たないといけない。47歳のおっさんだからこそ見える着地点を探して、7月の本番まで楽しみたいと思います。