ハロウィンってのはグロいのよ

10月の最終週、こちらの街中では至るところでハロウィンの飾り付けが見られます。近所の「パーティ・シティ」というパーティ用グッズの専門店では、子供の仮装用品がずらりと並び、試着室には長い行列ができている。コスチュームもとにかくバラエティに富んでいて、店内に展示しきれないので、こんな感じで壁一面にサンプル写真が貼り付けてあります。

 
左が男の子用、右は女の子用。
 
コスチュームだけじゃなく、手持ちの道具(魔法の杖とか、剣とかだけじゃなくて、斧だの鋤だのあやしい日本語が刻まれた刀とか、なんだかわけのわからんもの)とか、仮面なんかも大量に並んでいる。ちょうど今度のガレリア座の演目で仮面舞踏会のシーンがある、というので、ちょっとまとめて仮面を購入してしまったりした。ラメだの羽だのついていて、すごく派手です。

そんな風になんだか世間は浮き立っている感じなんですが、とにかくこちらのハロウィンはグロいです。最近日本でも、ハロウィンというのが一般化してきて、オレンジ色のかぼちゃだの、ちょっとグロかわいいドラキュラだのお化けの扮装だのが受容されてきているみたいだけど、こちらのハロウィンのグロさにはかなわないと思う。とにかく街中、いたるところに髑髏だのゾンビだのが立ち並んでいる。先述のパーティ・シティでは、引きちぎられた血まみれの手首だの足首だのの蝋細工が並んでいて、足首の切り口の骨の表現とかが異様にリアルで怖い。血まみれの脳みそ、なんてのも置いてある。マンハッタンの観光名所のチェルシーマーケットの入り口には目玉がえぐられたゾンビが立っていて、マーケットの真ん中のディスプレイでは、ゾンビと化した赤ん坊が家族に襲いかかり、パパやママを生きたまま喰らい、むしり取った腕をむしゃむしゃ食っている。そんなディスプレイを、「きゃぁ、赤ん坊がママを食べてるよ、怖いねぇ」なんて言いながら、ベビーカーを押した若いお母さんがにこにこと子供に見せている。いいのかそれで。


パーティ・シティの一角。骸骨だらけ。この裏に血まみれの脳みそが見えるかな?
 
普段は普通のスーパーマーケットの「ターゲット」というお店の一角も、ハロウィンコーナーになっていて、仮装グッズだけじゃなく、トリック・オア・トリートに備えて小さなお菓子をたくさん入れた袋が並んでいます。そんな仮装グッズの中で見つけたニット帽がまたグロい。


かぶると脳みそがはみ出しているように見える。このリアルさがいやなのよ。
 
で、こういう仮装グッズだの飾り付けだのを買いそろえた人たちが、家の玄関をこんな風に飾るわけです。


玄関に立っているのは住人ではなくて、礼服を着たゾンビです。ある意味住人か。ゾンビとか吸血鬼、というのはまぁハロウィンの歴史からすると新参者のようですが、蜘蛛・猫・魔女、というのは古くから定番のキャストのようです。
 
こちらの人気TVシリーズで、「死ぬための100の方法」というシリーズがあって、実話に基づいた「こうやって死んだ人がいます」という再現ドラマで構成された番組なんだけど、これもまた無茶苦茶グロい。最近評判になった「ウォーキング・デッド」というTVシリーズも、こんなのTVで流していいのか、というくらいリアルでグロいゾンビの襲撃シーンのオンパレード。肉食の国のグロさへの感性というのがどうしても理解できないんだけど、まぁ普通に車で走っていると道の真ん中に動物の轢死体がごろごろ転がっている国だから、どうしてもそのあたりが鈍くなってくるのかなぁ。