家族でナイアガラに行ってきました。

せっかくの娘の夏休み、家族旅行に行きたいねぇ、という話をしていて、女房が、ナイアガラに行かないか、と言い出す。女房は高校生の時、交換留学でカナダに3か月ほど滞在したことがあり、その際、ナイアガラに行ったことがあるそうな。もう20ン年前の話だから、大分様子も変わっているだろうし、噂によれば非常に観光地化された、ある意味完成されたリゾート地らしい。子供連れの家族旅行にはいいかも、と、金曜日一日だけ夏休みを取り、飛行機で一泊二日、行ってまいりましたナイアガラ。

JFK空港に早朝行くと、怪しい係員さん(失礼)が飛行機のチケットやチェックインの段取りを説明してくれる。JFKからロチェスタ空港へ、約2時間弱のフライト。それだけ飛行機で飛んでもまだNY州内だ、ということにまず驚く。乗ったJET BLUEの機体は非常にゆったりしていて、コンチネンタルの日米間のエコノミー席より快適です。早朝出発の余波でぐっすり眠る。

ロチェスター空港から、日本からのHISの団体さんと同じバスに乗り、2時間ほどで国境を越えると、ナイアガラの滝が見えてきます。まぁこれだけ大量の水がよく飽きもせず落ちてくるもんだね。


宿泊したホテルから見た滝。左がアメリカ滝、右がカナダ滝。

カナダ滝の落ち込むすぐわきにある、Table Rockという展望エリアでは、翡翠のように輝く水が滝壺に落ち込んでいく様子を間近に見ることができます。実は我々が帰宅してからすぐ、日本人が柵を超えて誤って転落してしまった、という場所がここ。実際に柵の向こうで流れ落ちる大量の水は、恐怖感を感じるほどの量感に満ちていて、観光客がいくらはしゃいでも、柵をまたいで記念写真を撮るのは一種冒険だし、身の危険を感じます。天気も悪かったせいで、視界も悪かったのかなぁ・・・転落した方が早く発見されることをお祈りするばかりです。

この大量の水、滝が崩壊するのを防ぐために、川の上流で水量調整をして、かなりの量を吸い上げ、滝を迂回して別のルートで放水している、とのことなのだけど、それが信じられないほど量感に満ちている。展望台からの景色を楽しんだ後、宿泊するホテルの展望レストランで昼食をとり、霧の乙女号に向かいます。

霧の乙女号、というのは、Maid Of The Mistという名前の船。正確に言えば、霧のメイド号。そう訳すと、一部のコスプレ好きのおじさんが喜びそうである。乗船前に、青いビニールのポンチョを渡されます。船はまっすぐカナダ滝に向かい、滝壺一面を覆っている水煙の中に突っ込んでいく。当然、乗客は滝に落ち込む大量の水の水圧が生み出す、台風と見まごうような暴風雨の中に包まれてびしょ濡れ。ガイドさんが、「こっちの人は濡れるほど喜びますからねぇ」とおっしゃっていましたが、その通りで、水が船を包むたびに大歓声が上がる。

ところが、船が滝壺から離れても、空から落ちてくる大粒の水しぶきがやまない。気が付いてみたら通り雨でした。濡れるために行った滝壺で、おまけの雨に降られてしまった。

雨はしばらく止まず、即席の青いポンチョを着たまま、Behind the Fallという、滝の裏側を歩くツアーに行く。今度は黄色いポンチョをもらい、エレベータで、カナダ滝の滝壺のすぐそばに作られたテラスへ降りる。また豪勢に水浸しになる。ところどころで、まだ1歳にもならないような小さな赤ん坊が、親御さんの腕の中で、滝の水のカーテンを見ながら、「なんじゃこりゃ」という顔をしているのがおかしい。

ツアーから戻ってみれば雨があがり、天気も回復。ちょうど夕方の傾いた日差しに、通り雨の水滴と滝壺の水煙が、見事な虹を作っていました。さっそく写真にとったのがこれ。


船と滝と虹とわが娘の後ろ頭

大満足で一日目を終えて、二日目は、まずは観光。ゲームセンターと、蝋人形館に行く。蝋人形館は思ったより楽しめたのだけど、最後のコーナーがお化け屋敷になっていて、入り口に、「Enter at your own risk」と書かれているコーナーがある。せっかく来たので、どんなものかパパだけで見てくるよ、と足を踏み入れたら、床は動くはガスは噴出するは鏡の迷路で出口を見失うは大騒ぎ。まぁたぶん、よみうりランドとかにあるお化け屋敷の方がよっぽど怖いだろうけど、お化け屋敷そのものに経験値の低いパパは息絶え絶えになって出てきました。ママと娘は、廊下で、仕掛けが派手に動くどったんばったんという音を聞きながらパパの無事を祈っていたそうな。もう行くもんか。

午後は、ホテルのすぐわきにある水をテーマにした室内遊具施設、「ウォーターパーク」に遊びに行く。たっぷり4時間過ごす。ウォータースライダー、人工波の出る屋内プール、パイプというパイプからすべて水が噴出しているような巨大なジャングルジム(ウォータースライダー付)と、ありあまる水をふんだんに使った施設です。砂漠にすむ中東の人たちが見たら卒倒しそうな場所。


室内とはいえ、ウォータースライダーは相当高さがあって楽しい。

噂には聞いていたのですが、カナダ側の町は極めて完成された観光エリアになっていて、子供連れは飽きることなく楽しむことができます。滝を正面からみることができないアメリカ側の町はすっかり寂れてしまっているようですが、滝はカナダ側に住む現地の人たちに、観光客という金脈と、膨大な水、という大きな恩恵をもたらし続けているようです。久しぶりの家族旅行、3人目いっぱい楽しむことができました。