船便が届いたり、演奏会がキャンセルされたり

今週、日本から娘と女房の渡米に合わせて発送した船便が到着。普通3カ月くらいかかるので、思っていたよりもずっと早い。同じ時期に日本を出た便でも、通関の手続きに時間がかかっているケースもある、とのことで、ヤマト運輸の方も、「ずいぶん早かったです」とおっしゃっていました。届いた荷物はほとんど損傷もなく、調布の家で見なれた食器類や家具類が、かなり広いアメリカの家の中に行儀よく納まっております。

娘の部屋も、勉強机と本棚が到着して、娘のお城としてすっかり完成。娘も嬉しかったらしく、早速勉強机に向かって英語の勉強をしておりました。

今週末は、年末に夫婦で参加した第九の合唱を仕切っていた合唱団から、同じ教会でモーツァルトのレクイエムを歌わないか、と誘われておりました。とりあえずパパだけ参加するつもりで、木曜日の夜のリハーサルに行く。合唱団が練習していたところに、突然、団の代表者でベースのソリストの方が顔を真っ赤にして飛び込んできて、「僕はもう歌わない」と言いだす。??となっている僕らをしり目に、なんだか色々と、泣いたり叫んだり喚いたり、みたいな大騒ぎがあって、結局演奏会はキャンセルになってしまいました。こんなことってあるんだねぇ。

どうも演奏会のギャラをめぐって行き違いがあってお互い気まずくなっていたところに、オケとソリストの合わせ練習中に、指揮者がソリストにカチンと来るような指示を出して、それで決定的に頭にきちゃったらしい。それにしても、アメリカ人っていうのは、人前で自分の言いたいこと(かなり感情的な発言も含めて)を言わずに我慢するってことができない人たちだねぇ。毎日仕事していても思うけど、この場でそれを言ってどうすんの、っていうことも口に出しちゃう。出してからあとで言い訳一杯するんだけど、一旦出しちゃったものは取り返せないんだけどね。話せば取り返せると思っている節がある。

いずれにせよ、単純にモーツァルトのレクイエムが歌いたい、と思って参加していた我々みたいな普通の団員さんがいい面の皮で、茫然として練習会場を後にしました。ある団員さんは、「両親が離婚しちゃってほったらかされた子供みたいな感じよねぇ」とあきれていました。何があっても本番まではぐっと我慢して、本番終わったら何を言ってもやってもいいから、という、結構すったもんだの舞台制作の現場を何度も見てきましたけど、さすがに本番二日前になって演奏会が中止になるってのは初体験だよ。