メモに埋もれる

最近とみにとみに健忘症が激しくなってきて、先日テレビで放送していた「明日の記憶」を途中からちらちら見ながらちょっと感情移入したりする。しかし堤幸彦さんがこんなまともな映画を撮るとは意外だったけどねぇ。森田芳光みたいに毒が抜けちゃうとつまらなくなるから、そこはバランス取ってほしいなぁ。別の話だな。

今日何をしなきゃいけない、とか、そういう予定表を覚えていられない。女房が留守の時の週末の予定とか、何度聞いても忘れてしまう。女房が合唱団の指導で夕方外出する時など、娘を何時に塾に連れて行って、何時に迎えに行って、とか、新宿のどこで待ち合わせて、とか、そういうタイムテーブルが全然頭に入らない。「明日は何があるんだっけ?」「何時にどこに行くんだっけ」と、5回くらい同じことを女房に聞いてマジギレされてしまう。完全に老人の生活ですね。もうすぐ四捨五入すると50歳の領域に突入だからねぇ。しょうがないよねぇ。

・・・とあきらめているわけにもいかないので、何かしら対策をとらねば、と、最近やっているのは、ひたすらメモを取ること。自分のアクションアイテムを全部書き出す。それも、簡単な単語を並べるのではなくて、極力細かく、文章にして書く。単語だけ羅列していても忘れてしまう。会社の仕事の管理もそうだし、週末の予定も、とにかく手帳に書く。女房が出かける時には、その日のスケジュールを前日の夜に紙に書いて、「x時にxxに行く」という感じの予定表を作って、食卓のテーブルに置いておく。ジジくさいですねぇ。でもそうしないと、ホントに忘れるんだこれが。あーあ。

思い返してみれば、死んだ父親もメモ魔でした。父親はもっと徹底していて、とにかく何でもメモに取る。ラジオから流れてきた面白い話とか、ちょっと気がついたことを全部メモに取る。亡くなってから、そういう細かいメモで埋め尽くされた手帳が何冊も出てきて、面白いなぁ、と思って見ていたりしました。私が死んだ後も、メモだらけの手帳を見て笑われたりするのかねぇ。恥ずかしいから極力処分してしまおう。

少し前は、手帳に仕事のスケジュールも全部書き込んでいたのですが、最近はイントラ上にスケジュール表がUPされていて、これを社外から携帯でチェックすることもできる。なので、手帳は、打ち合わせの議事メモと、週末の予定だけを書き込むツールになりました。便利な世の中になったんですけど、このイントラ上のスケジュール表、社内の人なら誰でも勝手に書き込みができるので、私の予定表が他人の手でどんどん埋まっていく。ひどい人になると、10時から11時まで打ち合わせ、という予定が入っている上に、10時30分から12時まで打ち合わせ、という予定を上書きしたりする。分裂しろってか。

一日に4つ以上打ち合わせを入れられると、ほとんどデスクワークができないので、こっそり自分で、「10時から12時まで、K社との打ち合わせ」なんていうダミーの予定(K社は架空の会社で、実際には席でデスクワークをしている)を入れたりしたこともあったんですが、敵もさるもの。「Singさんの予定表に、『K社との打ち合わせ』とか『T社との打ち合わせ』って入っている時は、ダミーの予定だぞ」と言う情報があっというまに知れ渡り、「『K社との打ち合わせ』って書いてあったから、空いてると思って会議の予定入れときましたぁ」なんて言われる。仕事のできる部下を持つとほんとに不幸だよ。

メモの話でした。とにかく色んな「やるべきこと」を書きとめておかないと忘れてしまうので、会社のアクションアイテムも全部、仕事一覧表にして書き出してあります。些細なルーティンワークも全部リスト化する。意外とそういうルーティンワークは、締め切り間近にリマインドされるまですっかり忘れてしまっていたりするから、リストに書き出しておくのは有効なんですよね。

最近では、リスト化したアクション項目のうち、今週やること、を、ぺたメモに書き出して、PCの周りに貼っています。そうすると、この項目はちょっと後回しにしよう、とか、この項目は終わったからメモを捨てよう、とか、仕事の消化状況が分かりやすい。それはいいんだけど、やることがいっぱいありすぎて、私のPCのモニターは、最近、ライオンのタテガミみたいに、ぺたメモにぐるりを囲まれています。いつか、ぺたメモのたてがみを振り乱したPCに食いつかれる夢を見るかもしれません。とほほ。