「7つの習慣」〜こういうの、悪くないと思う〜

週末、会社の社内研修で、スティーブン・コヴィーの「7つの習慣」をレクチャーするセミナーに参加。この手の自己啓発セミナーって、どれもとってもいいことを言ってると思うんだけど、生活習慣を変えるところまでいかないことが多いよねぇ。要するに自分の自覚の問題だから、「素晴らしい、明日からトライするぞ!」なんて思っても、ずるずると何もしないで昔の日常に戻っていってしまう。禁煙なんかと一緒。

「7つの習慣」について一切ご存知ない方のためにざっくり説明しておきましょうか。個人が、主体性を持ち、目的意識を持って行動できる個人として自立するためには、3つの習慣=「主体性を発揮する」「目的を持って始める」「重要事項を優先する」が必要です。さらに、自立した個人が、他者との関係性を充実させ、組織としての成功を勝ち取っていくためには、3つの習慣=「Win-Winを考える」「理解してから理解される」「相乗効果を発揮する」が必要。これらの習慣を身に着けた上で、常に自分の能力を磨いていく第七の習慣「刃を磨く」ことが必要です。ほら、いいこと言ってるでしょ?このセミナーを受講したら、生き方が変わるぞ、と思うでしょ?これがそうそう簡単には変わらないんだ。人間って、保守的なものだし、私みたいに40年も生きてきちゃうと、体も頭もガチガチに固くなってるからねぇ。

でも、この7つの習慣の中で、「目的を持って始める」というのと、「理解してから理解される」というのは結構面白かった。「目的を持って始める」というのは、自分の人生において、生き方の原理原則となる目的をきちんと文章にして、全ての行動とスケジュールをその原則に沿って構築していきましょう、という話。文章化された目的、というのは「ミッション・ステートメント」と呼ばれて、その人の人生における一種の「憲法」のようなものになる。

セミナーの中で、実際に、自分のミッション・ステートメントを書いてみましょう、という演習もあったんですけど、こういうのって悪くないと思います。自分のお葬式の時に、会葬者から一言ずつ弔辞をもらうとして、どんな弔辞をもらいたいですか、という質問があって、そこに描かれた自分自身が、理想的な自分自身であり、そういう自分自身になる、というのが、とりもなおさず自分の目的なんだ、という演習をしたりして、自分のミッション・ステートメントを固めていく。40歳になった時にも、これからの20〜30年の余生をどう生きていこうか、なんて考えましたけど、人間、そうやって自分の人生の目的を見直す時間、というのが時にはあってもいい。

「理解してから理解される」というのは、要するに、人の話をちゃんと聞きましょう、ということ。誰しも、話すこと、書くこと、読むことの訓練は受けているけど、実は一番大事な「聞くこと」についての訓練を受けてないですよね、という話があって、それはとても納得。人の話を聞かない人って、ほんとに多いもんなぁ。テクニックとして、相手が感情的になっている時に、相手の発言にコメントするのじゃなくて、相手の言葉をきちんと聴いて、自分の言葉で「言い直してあげる」という手法が紹介されていて、これは使えるなぁ、と思った。

私のミッション・ステートメント、なんてのは仕事そっちのけのスチャラカなものなので、ここで別にあえてお見せするようなものじゃないんです。ただ、こういうセミナーを受けても、全然自分自身に変化がないぞ、なんていうような、頭ガチガチの人間にはなりたくないなぁ、と思う。「所詮こんなセミナーなんてよ」と斜に構える必要も全然なくて、とってもいいことを言っていると思います。7つの習慣、そのうちのせめて一つくらいは、きちんと自分の身についた習慣になればいいな、と思っています。