赤池優さんのロビーコンサート〜まぁなんて可憐なの〜

昨夜、勤務している会社のビルのロビーで、新宿オペレッタ劇場でお馴染みの赤池優さんが出演されるロビーコンサートがあり、拝聴してきました。赤池優(ソプラノ)、高石朋子(フルート)、島内亜津子(ピアノ)、というお三方のコンサートでした。

最初、屋外ステージで、という話だったので、この梅雨空でどうなることやら、と思ったのですが、さすがに屋外では無理、と判断されたのでしょう。エントランスロビーでのコンサートになりました。このロビー、演奏会には実に過酷な場所で、冬は寒いし、夏は暑いし、お風呂エコーで、通行人の足音だの話し声もわんわん響く。加えて、エレベータホールが直結してますから、エレベータが到着するたびに、ピンポンピンポンとチャイム音が鳴る。演奏に集中するのはほぼ不可能な場所。それでも、出演される演奏家の方々は、淡々と笑顔で上質のパフォーマンスを見せてくれます。さすがプロだよなぁ。

屋外での演奏を企画していたせいか、ピアノも電子ピアノで、もったりした音。それでも、島内さんのピアノは歌心を失わず、高石さんのフルートも温かい響きで、みなさん、聞き応えのある演奏を聞かせてくれました。

お目当ての赤池さん、この方の日本語歌唱は本当に見事ですねぇ。日本語の単語がすごくクリアに聞こえる。といって、日本語っぽい浅い響きになってしまうわけではなくて、まろやかで柔らかい響き。ソットボーチェになってもスカスカにならなくて、甘く丸い響きが維持されている。伸びやかな響きのままに、歌詞も音程もとてもクリア。「涙そうそう」や、「小さな空」は、聞いていてなんだか甘酸っぱい、切ない気分になるような、本当にいい歌でした。

お三方で揃いのドレスは、麻のような感じの素材の涼やかなドレス。こういう時、ソプラノ歌手は、というか、赤池さんは、やっぱりピンクのドレスを選ぶんだねぇ。フルートの高石さんが緑、島内さんがグレーっぽいブルー、だったかな。赤池さん、本当にピンクがお似合い。新宿オペレッタ劇場のお稽古を覗きに行った時、他の歌い手さんのお稽古着が、Tシャツとかジャージだったのに、赤池さんだけ、フリフリのフリル付きの白いふわふわ着で、女房ともども口あんぐりになったのを思い出します。

演奏後、声をかけて、ちょっとだけ立ち話ができました。歌っている時のキュートな印象そのままに、どこまでも少女のような可憐な方です。でも既婚者なんだよねぇ。旦那さんがまた、体育会系の好青年なんだよ。この幸せモノが。

今回のプログラムは結構ポップス系の歌も歌ってらっしゃいましたけど、やっぱり一番聞き応えがあったのは「こうもり」のアデーレ。日本語歌唱も磨きつつ、本格的な歌をきっちり歌いこなされているのがいい。前にも書きましたけど、塩田美奈子さんみたいにアイドル路線に行かないで、本格美人ソプラノ歌手、ということで王道を行ってほしいなぁ。赤池さん、高石さん、島内さん、ほんとに素敵な時間を、ありがとうございました。