ドラマ・映画・アニメ

「夢」〜エンターテナーの宿命〜

ネットサーフしていると、時々、極めて個人的な出来事や感傷を、極めて個人的な表現で表出しているブログに出会うことがあります。身も蓋もない言い方をしてしまえば、「何を言ってるのかわからん」ブログ。本人は非常に切実に、必死になって自分の心情を吐…

「機動警察パトレイバー」〜情報を削減すること〜

録画してあった「機動警察パトレイバー」劇場版第二作を週末に見終わる。押井節も全開だけど、伊藤和典節が全開ですね。平成ガメラのシリーズを見ても、伊藤和典という脚本家はタダモノじゃない。この人は常に「戦争」を描きたいようなんだけど、現代日本で…

「女王の教室」〜子どもたちが戦う相手〜

この3連休、ぼんやりつけていた昼間のTVで、いきなり、黒ずくめの天海祐希がガン飛ばしてきて、「なんじゃこりゃ」と、思わず見入ってしまいました。「女王の教室」ダイジェスト。いいですねぇ。建前としての教育論を体現している「金八先生」みたいない…

「マタンゴ」〜ちょっと残念〜

録り溜めていた特撮映画、最近固めて見ています。先週から、「マタンゴ」と、「八岐之大蛇の逆襲」を見る。後者は以前見たことがあったので、樋口真嗣特撮の原点、という資料的な意味で録画しただけですけど、今見ると、ガメラでやってたことと基本的に変わ…

「妖星ゴラス」〜娯楽とは芸術とハチャメチャの狭間だ!〜

昨日は社外で研修があったので、この日記の更新もお休みしました。しかし、社外研修とかで出てくる講師っていうのは、どうしてみんなあんなに脂ぎっているのだろう。不思議だ。今日は、週末にやっと見終えた、「妖星ゴラス」と、BSで夜やっていたメルビッ…

「雪の女王」〜30分の中のテンポ感〜

NHKで放送が始まった「雪の女王」、この日記でも以前取り上げた、出崎統さんが演出されている、というので、ちょっと気になってました。おまけにキャラクターデザインが杉野昭夫さんだと言う。「エースをねらえ」「あしたのジョー」「コブラ」の黄金コン…

「潜水艦イ−57降伏せず」〜特攻精神の罠〜

ちょっと前に、日本映画チャンネルで、特撮映画の特集をやっていました。好きなもので、まとめて録画。少しずつ見ているのですが、先日、「潜水艦イ−57降伏せず」をやっと見る。これは特撮映画、というよりも、非常にまっすぐな戦争映画ですね。もちろん、…

「機動警察パトレイバー」〜虚像としての世界〜

押井守、という映像作家は、我々の世代のアニメオタクにとって、希望の星だった時期があります。富野由悠季、宮崎駿、高畑勲、出崎統、などの大御所に続く、「次世代」のアニメ作家としてすごく期待された人。スタジオぴえろ、という制作集団には、そういう…

プロジェクトX〜省略と修飾〜

今週の火曜日に放送されたプロジェクトXが、淀川工業高校のグリークラブを取り上げている、というので、周辺でかなり話題に。ばたついていてリアルタイムでは見られなかったのですが、昨夜、録画していたのを見る。プロジェクトX、という番組は、出てきた…

映画「フリーダ」〜運命と戦い続けること〜

フリーダ・カーロという画家は、以前、この映画が公開された前後に、NHK教育の「新日曜美術館」が特集したのを見たのです。あまりに「痛い」絵が並んでいることにショックを受ける。精神の痛みと肉体の痛みが共存・混在していて、それを視覚化してくるも…

「ウルトラセブン」と「101回目のプロポーズ」〜虚構だからこその真実その2〜

以前、フェリーニの「そして船は行く」の感想を書いた時、全編が嘘であることを強調している映画である、という感想を書きました。「私は嘘つきです」といいながら、その嘘がいかに美しく、また人間の真実を突いているか。先週から今週にかけて、2つのドラ…

「そして船は行く」〜虚構だからこその真実〜

週末のインプットを例によって並べましょうか。・テレビをつけると、なぜかやたらと、真島茂樹さんがマツケンサンバの振付指導をしていた。 ・以前に録画して、中々見られなかった、「そして船は行く」をやっと見る。 ・愛媛での全日本合唱コンクールの、金…

3年B組 金八先生〜虚構の限界〜

この週末は随分と活動的でした。とりあえず、色んなインプットをざらっと並べておきます。・金曜日、四谷区民センターで、新宿オペレッタ劇場9を観劇。終演後、打ち上げ会場にお邪魔して、出演者の皆様と深夜まで歓談する。・土曜日、久しぶりに大田オペラ…

「クジラの島の少女」〜クジラの見る夢〜

「クジラの島の少女」という映画は、以前、出張で移動中に、飛行機の中で見たのです。非常に感動。先日、WowWowで放送されていたのを録画したので、いわゆる「機内用にアレンジ」されていない本編をきちんと見てから、この日記に感想を書こうか、と思ってい…

「黄泉がえり」〜手話の温かさ〜

時々、電車の中などで、聴覚障害の方と思われる方々が、手話で会話をされている姿をお見かけしますよね。その度に、なんとなく、不思議な気分がしていたんです。普通、障害を持っている方を見かけたりすると、「お気の毒だなぁ」とか、「かわいそうだなぁ」…

「さくや妖怪伝」〜ビジュアリストって何者さ〜

やっと冬らしい気候になってきましたね。我が家は家族3人そろって大風邪をひいています。昨日、ガレリア座の演出練習があったのですが、風邪の状態で、歌だのセリフだので声帯を酷使してしまったせいか、今朝起きてみたらノドが痛くて痛くてタイヘン。年末…

「柳川掘割物語」〜水へのこだわり〜

陰陽五行説、というのがあります。世界を構成する5つの原理として、「水・火・木・金・土」の5つの元素を置く考え方。中でも「水」は、まさに生命のゆりかごとして、母性の象徴でもあり、死の象徴でもあり、無意識の象徴でもあり、人間存在の一番深い所に…

「美少女戦士セーラームーン」〜少女たちが戦う理由〜

40歳も近い男がセーラームーンを語るなよ。東映チャンネルで集中放送が始まったからって、見るなよ。それも実写版だよ。まぁそう言うなよ。娘が好きなんだよ。誰に言い訳してんだ。わっはっは。娘が好きだ、というのを言い訳にしながら、何が楽しみで見て…

「ぼくんち」〜フェリーニの映画との共通性〜

阪本順治という監督は、「どついたるねん」を見ています。これは本当にすごい映画でした。まっすぐなエンターテイメント。それもコテコテの関西系。以降の作品は残念ながらフォローしていなかったのですが、常に、関西系のやきそばソースの匂いのする作品を…

「オーケストラ・リハーサル」〜フェリーニの猥雑〜

フェデリコ・フェリーニという監督さんは、学生時代に映画を固めて見ていた時期、少しだけ追いかけたことがありました。「カサノヴァ」「ジンジャーとフレッド」「道」「甘い生活」「インテルビスタ」そして、「オーケストラ・リハーサル」を見ています。同…

「黄金の日日」〜失われた日本語〜

昨夜、CATVチャンネルをザッピングしていたら、時代劇チャンネルで放送が始まった「黄金の日日」が偶然映り、思わず女房と腰を据えて見てしまいました。1978年製作の大河ドラマですから、もう26年前。出てくる役者さんがとにかくすごくて、女房と…

ゴジラ映画の「業」

最近、ゴジラの「最終作」が封切られる、ということで、ゴジラ映画の過去の作品を色んなところが放送しています。特撮映画が好きだった昔の血が騒いで、最近録画してよく見ています。なので、我が家のTVでは、最近やたらにゴジラが放射能を吐いている。女…

「ボイス」〜良質なホラー映画〜

ホラー映画、というのは映画のジャンルの中で一つの大きな柱だと思います。でも、かなり危ういジャンルでもある。いいホラー映画、良質のホラー映画っていうものには、なかなか出会えないものです。なんでかなぁ、と考えてみると、いろいろな要因がある。ま…

こだわること

表現することとこだわること、というのは表裏一体だと思うんです。どう表現するか、何を表現するか、ということに、どれだけこだわれるか。中学生の校内合唱コンクールみたいに、表現するモノの質ではなく、表現する、という行為によって得られる一体感を重…

米倉涼子の「オーラ」

女優さんにとって、何かしらオーラをまとっている、というのはとても大事なこと。とはいえ、あまり強烈なオーラはかえって芸風を固定してしまう。固定された芸風で、リサイクルがきかない女優の話は、以前書いたことがありますね。昨夜、ちらりと見た「黒革…

逃れられない

過去というのは、どんなにひどい過去でも、どんなに悲しい過去でも、どんなに悲惨な過去でも、どんなに馬鹿馬鹿しい過去でも、逃れることはできないんです。おんぶおばけのように人の背中に張り付いているのです。そして時々ひょいっと、頭の上から人の顔を…

女優さんの「旬」

ものには旬の時期がある、という話は、この日記の中で、[本]の項で何度か言及しましたね。でも最近、女優さんの「旬」ってのは、大事だし、残酷なものだなぁ、と思いました。なんでそんなことを思ったのか、といえば、先日頭痛で会社を休んだときに、女房と…

座頭市を見て思ったこと

昨日は朝起きた時から頭がガンガン痛くて、布団から出ることもできず、結局会社を休んでしましました。ということで日記も一日お休み。時々こういう偏頭痛が出るんです。一度頭の中覗いてもらった方がいいかなぁ。さて、今日は、先日TVで見てから、感想文…

後悔という感情〜永遠のマリア・カラス〜

以前、手慰みで小説を書いていた頃、「後悔という感情ほど役に立たない感情はない」という文章を書いたことがありました。後悔したって、失われたものは戻ってこない。そのくせ、これほど心をさいなむ感情もない。あの時、こうしていれば。あの時、どうして…

「スターウォーズ エピソード2」鑑賞

夜更かしの後、家族が撃沈している日曜日の午前中、年寄りは朝が早いので、一人で起き出す。DVDに録画していて見ていなかった、「スターウォーズ エピソード2」を見る。 やっぱり、ジョージ・ルーカスという人は、職人的にうまい監督だなぁ、と思います。複…